次に斎藤氏は、同社のセキュリティ事業に関する説明を行った。同社はセキュリティオペレーションセンター「IIJ SOC」を核とした各種サービス・ソリューションの提供により、インシデント発生時の対応支援まで包括的に実施している。

  • IIJセキュリティ事業の概要

同事業は、事業強化を開始した2016年以降、月額課金サービスによるストック売上により、継続して二桁の増収率を維持している。また、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、テレワーク活用の広がり、クラウド利用へのシフトなど、働き方やICT利用の変化に対応した新しいサービスの投入により成長を継続。2021年度の同事業の売上高は、200億円を超える見込みだ。

  • セキュリティ事業概況

同社は2021年、数種類の新サービスを開始した。そのうちの一つが、「IIJフレックスモビリティサービス/ZTNA」だ。同サービスは、企業ネットワークに必要な機能を仮想化し、クラウド上で提供する「IIJ Omnibus」を構成するサービスの中でゼロトラストネットワークの機能を追加したリモートアクセスサービスだ。最適化された通信「ZTNA」と、セキュアな接続コントロール、詳細な利用状況・リスクの把握が可能な点が特徴としている。

  • IIJフレックスモビリティサービス/ZTNA

また「IIJセキュアエンドポイントサービスIT資産管理モバイル」という新サービスでは、「IT 資産管理機能」と「MDM機能」を一元的に提供する。PC・iOS/Androidの一元管理を実現する機能を搭載しており、資産情報の自動取得やアプリ配信でPC・スマホ・タブレットのIT資産管理を効率化し、脆弱性の利用ルールに違反しているデバイスを把握できるという。

  • IIJセキュアエンドポイントサービスIT資産管理モバイル

他にも、クラウドサービス利用を把握し、シャドーITの可視化やサンクションIT(組織が許可したIT機器)の可視化・制御を行う「IIJ CASBソリューション」や、IaaSの設定不備による脆弱性を可視化する「IIJ CSPMソリューション」、同社のセキュリティサービス運用やインシデント対応で培った知見をベースにした実践的プログラムを提供する「IIJセキュリティ教習所」など、さまざまな新サービスを開始している。

同社は今後、各事業領域との連携強化および、必要機能や要素の拡充を実施する予定だ。斎藤氏は「あらゆるサービスにセキュリティ要素が組み込まれている状態を目指していく」と、説明会を締めくくった。