2次元画像に自然な影を付けられる「Shadow Drop」

2次元の画像でも、影をうまく書き込むことで立体的に見せることができる。Photoshopにはこの影付けが簡単にできる「ドロップシャドウ」と呼ばれる機能があるが、現時点ではその向きや濃さが不自然になってしまって実用に耐えないことがある。

「Shadow Drop」はAdobe Senseiを駆使してより自然な影を生成してくれる技術だ。下の図の植物などにはもともと影が無かったが、「Shadow Drop」によって自然な形の影が作り出されている。

  • 自然な影を付けて立体感を持たせる

    自然な影を付けて立体感を持たせる

影の濃さや光源の位置を変えることで影の向きや長さを調整することもできる。実写の素材だけでなくイラストやアニメーションにも適用することが可能。次の2枚のスクリーンショットは、影を付ける前の元のイラストと、「Shadow Drop」で影を付けたイラストである。影を付けたことで、ベッドが浮いている様子がよくわかるようになった。

  • 影を付ける前のイラスト

    影を付ける前のイラスト

  • 影を付けた後のイラスト。ベッドが浮いている様子が明確になった

    影を付けた後のイラスト。ベッドが浮いている様子が明確になった

手書きイラストをベクター画像にして色付けまで提案してくれる「Project Sunshine」

「Project Sunshine」は、手書きのイラストをベクター画像として読み込み、その上でさまざまな編集機能を提供してくれる新技術である。まず、次のような手書きのイラストを読み込ませる。

  • 手書きのイラストを読み込ませると…

    手書きのイラストを読み込ませると……

すると、下図のようにきれいなベクターアウトラインに変換される。その上で、右側に見えているような配色を自動で作り出して提案してくれる。この配色は、Adobe Senseiによって全体の調和を乱さないように計算して作り出されているという。

  • 自動でベクターアウトライン化した上で、配色の提案までしてくれる

    自動でベクターアウトライン化した上で、配色の提案までしてくれる

さらに、次のようにキャラクターに自動で影を付けることもできるという。光源を移動させて影の付く方向を調整することも可能だ。影はパス情報になっているので、手動で簡単に修正できるという。

  • キャラクターに影を付けることもできる

    キャラクターに影を付けることもできる

影だけでなく、ハイライト表現などを付け加えることも可能で、この機能を使ってコミック調のイラストを装飾するデモも披露された。

簡単に文字を装飾できる「Project Stylish Strokes」

ここ最近のSneaksセッションではタイポグラフィーに関する新技術も複数公開されているが、今年発表されたのが「Project Stylish Strokes」である。これは、指定したテキストに対して、フォントのアウトラインを分析した上で全体に対して一気にタイポグラフィーを適用できるというもの。通常であれば1文字ずつトレースするなどの作業が必要だが、「Project Stylish Strokes」であればクリックひとつで完了だ。

例えば、次のような画像で、フランスをテーマに「Paris」の文字をして装飾したいとする。

  • パリの写真なのでテキストをフランス風に装飾したい

    パリの写真なのでテキストをフランス風に装飾したい

「Project Stylish Strokes」を使えば、メニューからタイポグラフィーを選択するだけで装飾できる。

  • タイポグラフィーを一気に適用できる

    タイポグラフィーを一気に適用できる

「Project Stylish Strokes」では、すべての文字のアウトラインを解析して、類似する線に対して同じアートワークを適用するようになっているという。次の例では、縦の線、横の線、斜め線、カーブ、下線などに個別にアートワークを割り当てて、自分でタイポグラフィーをカスタマイズしている。

  • 類似する線に対して同じアートワークを適用することが可能

    類似する線に対して同じアートワークを適用することが可能

アートワークには、静止画だけでなくアニメーションを使用することもできる。セッションでは、レオナルド・ダ・ヴィンチをテーマにした動くタイポグラフィーなどのデモもあった。