7月29日を皮切りに、NEC、富士通、日立製作所、パナソニックが2021年度1四半期(2021年4月~6月)の連結業績を発表した。本稿では、これら国内主要電機メーカー大手4社の2021年度1四半期をまとめてみたい。
増収増益達成、コロナの影響受けた事業が回復 - パナソニック
パナソニックは7月29日に、2021年度 第1四半期の連結決算を発表した。連結業績は、売上高が1兆7,924億円で前年同期比4,005億円(129%)の増収となった。調整後営業利益は1,195億円で、前年同期比1,254億円の増益を達成。営業利益は1,044億円で前年同期比1,006億円増、当期純利益は765億円で前年同期比863億円増となった。
同社は、売上高が増収となった要因について、オートモーティブやアプライアンスにおいて新型コロナウイルスの影響の回復が見られたこと、インダストリアルソリューションズが伸長したことを挙げている。調整後営業利益は、増販益に加え、事業の状況に応じたコストコントロールにより、大幅な増益を果たしたという。
業績の進捗については、インダストリアルソリューションズを中心に期初想定よりも堅調に推移しているとのことだ。今後の事業環境のプラスの要因としては、「情報通信インフラや工場の省人化への投資需要の拡大継続」があり、また、リスクとしては「半導体逼迫などによる車両生産への影響継続」「港湾混雑による物流の停滞」「新型コロナ感染再拡大による工場などのロックダウン」「資材の価格高騰、調達難」が想定されるとしている。
同社は2022年4月1日からの持株会社制への移行に向け、2021年10月1日から現行のカンパニー制を廃止し、グループを新たな体制へ再編するが、同日、新体制における役員の人事が発表された。現在、社長執行役員を務める楠見雄規氏は、グループCEOとグループCSO(チーフ・ストラテジー・オフィサー)を務める。
減収ながら増益達成、電子部品が好調 - 富士通
7月29日は富士通も2021年度第1四半期連結決算を発表した。連結業績は、売上収益が前年同期比8億円減の8019億円、営業利益が同123億円増の337億円、税引前利益が同136億円増の395億円、当期純利益が同59億円増の241億円となった。
売上収益の内訳として、テクノロジーソリューション、デバイスソリューションは増収だった一方、ユビキタスソリューションは減収となった。デバイスソリューションは、半導体需要の高まりに連動して、電子部品が好調に推移したという。営業利益は前年比150%となった要因としては、全セグメントで採算性の改善を進めたからとしている。
テクノロジーソリューションでは、価値創造のための2つの事業領域として、「For Growth:デジタル(DX、モダナイゼーション)」と「For Stability:従来型IT(システムの保守や運用、プロダクトの提供)」を定めている。For Growthの2021年度第1四半期の売上収益は2,177億円と前年同期比172億円減となっている。一方、For Stabilityの売上収益は4,693億円と前年同期比206億円となっている。
今回、富士通Japan設立に伴い、システムプラットフォーム、ユビキタスソリューションの売上の一部が富士通Japanを経由することでソリューション・サービスに帰属するように変更されているほか、ネットワークビジネスのキャリア向けSEがソリューション・サービスに異動している。