富士通はグローバル展開も強化するとのことですが、市場の見通しや戦略について教えてください。
大西氏:グローバルと一口に言っても各地域により強い業種が異なります。アメリカやドイツは製造業が多いですが、オーストラリアは製造業はほとんどありません。グローバル展開において、業種に依存しない強みの領域を持つことが重要だと考えています。
現在、富士通のSAPへのパートナー貢献度等のランキングは、2019年度17位です。この順位を上げていくために、幅広い業種に対して戦略立案、コンサル、インプリと広く手掛ける戦い方よりも、SAPのビジネスにおける富士通の強みをしっかり確立していきたいと考えています。
SAPビジネスという分野での富士通の認知度を考えると、SNPさんと提携して開発したソリューションは一つの入り口になると考えています。
今後のロードマップについてお聞かせください。
大西氏:BLUEFIELDマイグレーションビジネスについては、2022年度末に累計100億円を目標にしています。このうち3~4割が日本で、それ以外はグローバルにしていきたいと思っています。
デリバリースタイルも変えていきたいと考えています。これは、富士通の変革の1つのテーマで、SAPビジネスに限定されないのですが、属人化を排除して業種のチームによるサイロ化も無くして、なるべく中央化できるものは中央化していく。標準化できるものについては標準化して、グローバルデリバリーの拠点に持っていく計画です。
現在グローバルデリバリーセンター(GDC)は1万4000人規模となっており、マイグレーションは要件定義が少ないのである程度のファクトリー化が可能です。現在、インドとポルトガルにコンバージョンセンターを設立して、実作業はここで行う体制に持っていきます。コンバージョンセンターは1月に立ち上げる予定です。
SNPさんとの提携については、スピード感を持って進めています。パートナー契約の後で、すぐに案件を作成してクローズして実績を作ろうという動きがはじまっています。
これまでは日本があってグローバルがあるという感じでしたが、今後は最初からグローバルで進めたいと思っています。マーケティングにもグローバルのメンバーが入っており、案件ベースで具体的に進めるという活動に入っています。