広告に期待する効果の一つとして、自社ブランドや商品を知らない人にも知ってもらうことがあります。「認知拡大」「ブランドイメージ向上」を主な目的とした広告は、「認知を高める広告」と呼ばれています。
今回は、認知を高める広告の基礎知識について解説します。また、マスメディアとWeb広告の違いや、Webを利用した認知を高める広告の効果についてもまとめました。広告と認知の関係について整理したい方は、ぜひ最後までご覧ください。
認知を高める広告とは?
認知を高める広告とは、具体的にどのような広告を指すのでしょうか。広告戦略の中でどのような位置づけにあり、どういう効果を求めているのかについて解説します。
認知を高める広告は「商品やブランドの認知と集客」が目的
広告の目的や戦略にはさまざまな種類があります。その中でも、消費者に自社ブランドや商品・サービスを知ってもらうことは重要です。認知を高める広告は、商品やブランドをニーズの潜在層に訴求し、集客につなげることを目的とします。
認知を高める広告手法や広告の種類はさまざまです。その中で適切な広告手法を駆使することで、認知向上効果が期待できます。
消費者の購買行動モデルと広告戦略の種類
消費者が商品やサービスを認知してから購入に至るまでのプロセスのことを「購買行動モデル」と呼びます。米国のE.K.ストロングが提唱した、AIDMAモデルは初購買行動の初期モデルです。その後、購買行動モデルは、テクノロジー進化の影響もあり大きく変化しています。
ここでは、現在の消費行動モデルの原型ともいわれているAIDMAについて見ていきましょう。AIDMAによる5段階の消費行動と、対応する広告戦略の種類は以下の通りです。
購買行動 | 感情の段階 | 心理状態 | 広告戦略 | 効果測定指標 |
---|---|---|---|---|
認知・注意(Attention) | 認知 | まだ知らない | 認知向上 | インプレッション (Imp) |
興味・関心(Interest) | 感情 | 知っているが興味がない | 評価向上 | クリック率 (CTR) |
欲求(Desire) | 感情 | 興味はあるが欲しくはない | ニーズ喚起 | クリック率 (CTR) |
記憶(Memory) | 感情 | 欲しいと思っているが購入の動機がない | 記憶の呼び起こし | クリック率 (CTR) |
行動(Action) | 行動 | 購入の動機はあるが購入に至っていない | 購入の促進 | コンバージョン率 (CVR) |
認知を高めるための広告戦略は、まだ何も知らない消費者に対して、どのようにして接触を図るかが重要なポイントです。代表的な効果測定指標としては、その広告を表示した回数をカウントするインプレッションがあります。
認知と接触回数
認知を高めるためには、接触回数が重要です。一つの目安として、認知されるには、3回以上の接触が必要とも言われています。
例えば、あるWebメディアの読者が、これまで知らなかった会社の商品記事を目にするケースを考えてみましょう。
1回リンクを見ただけでは、興味が湧かずにクリックしない場合がほとんどでしょう。しかし、何度か記事一覧に表示されると、興味が湧いてクリックし、自分好みの商品だと気に入るという流れもありえます。
このケースでは、「ユーザーが興味を持ちそうな商品の記事を何度も表示する」ことで、接触回数を増やしています。
媒体の種類による広告の認知向上効果の違い
広告媒体がマスメディアかWebかによって、広告の認知向上効果には違いがあります。両者の違いについて解説します。
マスメディア広告は認知効果が高い
マスメディアによる広告は、今でもかなり大きな影響を持っています。特に、スポンサー枠として、視聴中に何度か流れるテレビCMは、接触回数が保証され、認知向上の効果が高い広告手法です。
また、テレビCMは他の広告媒体に比べて消費者の信頼感が高いため、自社ブランドのイメージアップにもつながります。
ただし、マスメディアを使った広告は、Web広告よりも制作費・掲載費ともに高価です。そのため、利用のタイミングを慎重に検討し、内容をかなりしっかりと作りこむ必要があります。
インターネット経由のWeb広告は費用対効果が高い
Web広告は、マスメディアを使った広告に比べて費用対効果が高い点が大きな特徴です。特に、検索連動型のように、広告枠を入札形式で利用できる場合は、より少ない費用で大きな宣伝効果が期待できます。
また、Web広告は、広告を出した後の効果測定がしやすいため、さらに効果的な広告を出すように調整ができる点も特徴の一つです。さまざまな評価指標がありますが、認知効果の場合は、インプレッション(記事がどれだけ見られたか)といった評価仕様を利用して効果測定を行います。