Optaneファミリそれぞれの位置づけ
そして、Intelは、DRAMでは記憶容量が足りないという容量ギャップを埋めるのがOptane DC不揮発性メモリであるという。
また、NAND SSDではアクセス速度が遅いというギャップを埋めるのがOptane DCを使うSSDであると位置づけている。
次の図は3D Xpoint素子のSEM写真である。M4層とM5層の間にXpoint記憶素子が作られている。左上のイラストに見られるように、ワード線とビット線の交点に2段に記憶素子が積まれている。
イラストの黄色の部分がOvonic Threshold Switchで、赤い部分が相変化で抵抗値が変化する記憶素子である。
Optane DC不揮発性メモリは、右側の写真に見られるように、放熱板の付いたDDR4と互換のDIMMで、128GB、256GB、512GBのモジュールが製品化されている。
不揮発性のFlashメモリなどはブロック単位でアクセスしてまとめて読み書きするが、Optaneは交点ごとの記憶素子をアドレスするので、DRAM DIMMと同様にバイト単位でアドレスすることができる。
DIMMは表裏で合計11個のXpointメモリチップと専用のメモリコントローラチップなどが搭載されている。コントローラチップにはマイクロコントローラ、AES-XTS256暗号化、ECCなどの機能が搭載されている。
2つのモードがあるOptaneメモリ
Optaneメモリには、メモリモードとアプリケーションモードという2つの使い方がある。メモリモードは、Optaneメモリをメインメモリとして使い、DDR4 DRAMはキャッシュとして使う。CPUからのアクセスがDDR4メモリにヒットすればOptane無しのメモリ系と同様に、DDR4からCPUにデータを返す。一方、DDR4メモリにデータが無い場合はOptaneメモリをアクセスする。このメモリモードでは、ソフトウェアを変える必要は無い。
アプリケーションダイレクトモードでは、DDR4メモリとOptaneメモリは別々のメモリで、データの配置はソフトウェアで決めて、それぞれをアクセスするプログラムを書かなければならない。
Optaneは不揮発性メモリであるので、停電などが起こってもデータは保持されているというメリットがあるが、Optaneモジュールが盗まれると、書いてあったデータが盗まれてしまう。このため、Optaneメモリは256bitのAES-XTP暗号化を行ってデータを保護している。そして暗号化のカギはモジュール上のハードウェアに格納されており、ファームウェアでアクセスを制御している。