Optaneファミリそれぞれの位置づけ

そして、Intelは、DRAMでは記憶容量が足りないという容量ギャップを埋めるのがOptane DC不揮発性メモリであるという。

また、NAND SSDではアクセス速度が遅いというギャップを埋めるのがOptane DCを使うSSDであると位置づけている。

  • Optane

    DRAMの次の階層にOptane DC不揮発性メモリ、その次の階層にOptane DC SSDを使うとギャップを埋められる

次の図は3D Xpoint素子のSEM写真である。M4層とM5層の間にXpoint記憶素子が作られている。左上のイラストに見られるように、ワード線とビット線の交点に2段に記憶素子が積まれている。

イラストの黄色の部分がOvonic Threshold Switchで、赤い部分が相変化で抵抗値が変化する記憶素子である。

  • Optane

    Intelの3D XpointメモリのSEM断面像。第4層の金属配線層と第5層の金属配線層の間に細かい櫛の歯のように見えるのが3D Xpointメモリアレイである。左上はメモリ素子部の拡大イラスト。右上のSEMは記憶素子を拡大したもので、上から順にビット線、OTSスイッチ、記憶素子、ワード線が見える。右側の面はビット線方向、左側の面はワード線方向に切った図である

Optane DC不揮発性メモリは、右側の写真に見られるように、放熱板の付いたDDR4と互換のDIMMで、128GB、256GB、512GBのモジュールが製品化されている。

不揮発性のFlashメモリなどはブロック単位でアクセスしてまとめて読み書きするが、Optaneは交点ごとの記憶素子をアドレスするので、DRAM DIMMと同様にバイト単位でアドレスすることができる。

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    Optane DC不揮発性メモリは128GB、256GB、512GBの容量のDIMMが製品化されている。NAND Flashとは異なり、バイト単位でアドレスできる。そして、NAND Flashと違い書き込みを繰り返しても劣化が少ない。右側の画像は放熱板が付いたOptane DCメモリDIMM

DIMMは表裏で合計11個のXpointメモリチップと専用のメモリコントローラチップなどが搭載されている。コントローラチップにはマイクロコントローラ、AES-XTS256暗号化、ECCなどの機能が搭載されている。

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    Optane DIMMには11個の3D Xpointメモリチップと専用のメモリコントローラチップなどが搭載されている

2つのモードがあるOptaneメモリ

Optaneメモリには、メモリモードとアプリケーションモードという2つの使い方がある。メモリモードは、Optaneメモリをメインメモリとして使い、DDR4 DRAMはキャッシュとして使う。CPUからのアクセスがDDR4メモリにヒットすればOptane無しのメモリ系と同様に、DDR4からCPUにデータを返す。一方、DDR4メモリにデータが無い場合はOptaneメモリをアクセスする。このメモリモードでは、ソフトウェアを変える必要は無い。

アプリケーションダイレクトモードでは、DDR4メモリとOptaneメモリは別々のメモリで、データの配置はソフトウェアで決めて、それぞれをアクセスするプログラムを書かなければならない。

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    Optaneメモリは、メモリモードとアプリケーションダイレクトモードという2つの使い方ができる。メモリモードでは、DRAM部分をキャッシュとし、Optaneをメインメモリとして使う。一方、アプリダイレクトモードではソフトウェアがDDR4をアクセスするかOptaneをアクセスするか意識してプログラムを書く必要がある

Optaneは不揮発性メモリであるので、停電などが起こってもデータは保持されているというメリットがあるが、Optaneモジュールが盗まれると、書いてあったデータが盗まれてしまう。このため、Optaneメモリは256bitのAES-XTP暗号化を行ってデータを保護している。そして暗号化のカギはモジュール上のハードウェアに格納されており、ファームウェアでアクセスを制御している。

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    モジュールを盗まれると、格納されているデータも盗まれてしまう。このため、格納するデータは256bitのAES-XTPで暗号化している。暗号化のカギはモジュール上のハードウェアに格納されてファームウェアによる権限チェックを通らないとアクセスできない