宇宙開発に平和を願う理由とは

  • QPS研究所

―:九州の方は宇宙開発に興味はあるでしょうか?

中島:まだちょっと遠いかもしれない。宇宙には夢があるというか、夢しかないというか。悪い話があまりないから僕は好きなんですね。九州では九州工業大学が衛星を打ち上げていたり、九州大学には航空工学で素晴らしい先生方がいらしゃって、宇宙飛行士の若田光一さんが九州大学で学ばれていますね。

―:QPS研究所の大西CEOやオガワ機工の伊藤副社長にインタビューされて思うことは?

中島:すごく素敵な人だなと思うと同時に、本当に宇宙のことが好きなんだなと。宇宙が好きな人ってみんな子どものように目を輝かせて話す。そこがいいですよね。かかるお金のことを考えたらそうキラキラもできないと思うのに(笑)。オガワ機工の伊藤さんだって、すごくうれしそうでしたもんね。いい男だな~と思いました。

―:QPS研究所の衛星があがったら、どんな風になるといいなと思いますか?

中島:一番は平和になると良いなと思います。テクノロジーは危ない事にも使われそうだけど、この衛星群があがることで「世界が平和になったね」ってなったら最高だと思います。

―:そう思うきっかけがあったんですか?

中島:テクノロジーが進んでいるのに今の世界はなんだろうって思うことがあるじゃないですか。インターネットだって、本来ならこんなすごい発明ないよと思うのに、良い使い方と悪い使い方と半々だなと思います。

―:SAR衛星は何でも見えてしまいますからね。

中島:宇宙って一番軍事と結びつきやすいところだから、そうじゃないと証明してもらったら嬉しい。九州発の衛星によって平和な世界が実現したら「あの人たちが平和のためにやったことだね、すごいね」となるでしょ。応援しています。ずっと。

2019年12月に打ち上げられたQPS研究所の初号機「イザナギ」は衛星の約95%の機能を実現。初画像取得については、衛星のデータ受信機能部分で不安定な箇所があり、解決に向けて原因調査中だ。2号機の開発は平行して進んでいるという。

レーダーを地上に送信し、反射したレーダーを受けるSAR衛星は大電力を扱う必要もあり、技術的に難易度が高い。それを小型衛星で実現するにはさらにハードルが上がる。衛星の姿勢のコントロールにも想定より時間がかかったようだが、それらはすべて今後に向けての貴重な知見になるだろう。

QPS研究所では「#おうちで人工衛星」として衛星のペーパークラフトの無料ダウンロード企画をスタート。初号機「イザナギ」ステッカーがもらえるチャンスも!(詳しくは同社Webサイトを参照)。おうちで衛星を作りながら、九州チームの奮闘を応援したい。