新たなロケットパートナーズの発表も
また同日の記者会見では、同社のロケット開発をサポートする「みんなのロケットパートナーズ」に、新たに9つの企業・大学・金融機関が加入したことも明らかにされた。今回発表されたのは以下の9者。これで、みんなのロケットパートナーズに加入しているのは、合計17企業・団体となった。
- 帯広信用金庫
- 釧路製作所
- サンケミ
- 室蘭工業大学
- 日本エア・リキード
- 萩原建設工業
- 北海道航空宇宙企画(HAP)
- 北洋銀行
- 北海道ベンチャーキャピタル
ISTの稲川社長は、「これで産学官・金融機関が揃った」と感謝しつつ、「ロケットは複雑で難しい。1つだけでなく、様々なものを解決しないと実現できない」と、難しさを指摘。「ZEROクラスの規模になると、大勢の人の協力が必要。日本全体でやっていくことが重要なポイントだと思っている」と述べる。
Rocket Labが順調に打ち上げの成功を積み重ねていく中で、小型ロケットの開発競争はさらに厳しさを増している。「世界には100以上の開発プロジェクトがあるが、その多くがモノになっておらず、会社が解散という事例も出ている」(稲川社長)。
ISTの強みについて、稲川社長は「モノ作りを1つ1つ愚直にやっていること」と自負する。当面はZEROの実現に向け邁進するが、「これからも、人数を増やしながら、パートナーも広めながらやっていく。"みんなの"という部分が重要なので、今後も支援をお願いしたい」と、さらなる参加を呼びかけた。
ところで7月のMOMO4号機の打ち上げでは、通信系の一部であるコマンド系に異常が発生し、エンジンが自動停止。3号機に続いての宇宙到達とはならなかった。これについて、会見後に稲川社長に確認したところ、「コマンド系だけでなく、いろんな現象が同時多発的に発生していた」ことが分かったという。
この原因についてはまだ特定に至っていないものの、4号機の映像からは、雲に入ったあとに通信が途切れたように見え、1つの仮説としては、帯電による影響が考えられるとのこと。今後、さらに原因究明を進め、対策を施した上で、次の5号機の製造・試験・打ち上げに進む考えだ。