--海外イベントへの参加を積極的に行うことになった契機について教えて下さい。

大西氏:元々、運用も含めて設備面で強いデータセンター(DC)でしたが、それだけではお客さまから選択されないのではないか、ということを感じ始めたタイミングが2016年でした。また、外資系企業が席巻してきていました。そこで、日本企業として新しい価値を見出そうとしていました。

  • アット東京 営業本部 営業企画部 企画担当部長の大西雅之氏

    アット東京 営業本部 営業企画部 企画担当部長の大西雅之氏

当時、競合他社が大手町に展開するDCは老朽化に加え、設備の拡張性に課題を抱えていました。そこで、大規模設備を持つ日本企業として弊社が注目され、BBIXさん、ビッグローブさんと協業し、接続サービスを開始しました。これが契機となりました。

--当時、なにか具体的な展望をお持ちでしたか?

大西氏:外資系のDC事業者が展開するDCや大手町のDCへの集積化が進む中で、接続を望むお客さまが求めるものを集めていくことを目的としました。国内では、外資系のDC事業者を選択することに偏りがちだったため、DC事業者の選択肢の幅を広げようと考えました。

そして、最初の海外イベントへの参加はオランダのIXのプライベートイベントでした。しかし、正直な話をすると右も左もわからない状況でしたね。そこに参加している企業に対して、弊社がどのような価値を持っているのか、相手がなにを求めているのかということを理解できていませんでした。

山下氏:イベントに参加していく中で、海外企業からさまざまな助言をもらい、価値の高め方を教わった感じです。いまでこそ、弊社は「Continue」「Connect」「Co-Create」ということを掲げていますが、イベントに参加し始めたときは弊社を表現する言葉を持たない状況で参加していました。

--年間での海外イベントへの参加状況はいかがですか?

大西氏:インターネット系で5つ、金融系で3~4つのイベントに参加しています。

山下氏:継続してイベントに参加すると、他の企業の人と知り合いになり、人がつながると仕事にもつながります。最初は苦労しましたが、ここ最近は成果が出てきている印象です。日本国内のネットワーク企業やDC事業者も弊社のDCに接続したいというニーズが出てきています。この流れになると、これまでとは違う景色が見えてくるのだと感じています。

  • アット東京 常務執行役員 営業本部長の山下卓也氏

    アット東京 常務取締役 営業本部長の山下卓也氏

大西氏:最初は日本に進出する海外企業が興味を持ってくれました。また、そうすると、それらの海外企業と接続したいという国内企業が興味を持ってくれています。

--今後の方針はどのようにお考えですか?

大西氏:まだまだ磨いていかなければならないところもあり、“アット東京”という存在を見せていくためにも海外イベントへの参加は継続していきます。効果の一例としては、当初はPeeringDBが7件の登録しかなかったものが、現在では約40件(2019年7月中旬時点)まで拡大しています。

山下氏:今後は接続性を求める国内外のお客さまを増やしていきたいですね。具体的には既存のお客さまは接続性を魅力として感じていただけていますが、特異な業種のお客さまを増やせば、さらに相乗効果が生まれるものだと考えています。

そのため、これからはキャッシュレス決済関連や5Gなど市場が拡大していけば、必然的にアット東京を選択するという状況としていきたいですね。これまで磨いてきた強みが功を奏しており、これを継続していけば、今後は見たことのない景色が広がり、また違う強みが得られるのではないかと思います。

弊社は設備だけでなく、有能な社員がいることも自信につながっています。そうでなければ、お客さまから安心して任せていただけない、となってしまうかもしれませんから、人材育成は重要視して続けます。優秀な社員を抱えるからこそ、高品質なサービスを提供できると思っています。これからもアット東京流のサービスを国内外の企業に活用していただきたいですね。