H3ロケットの開発状況は?
最後に、H3ロケットの最新状況をまとめておこう。
まず固体ロケットブースタ「SRB-3」は、2018年8月に、実機型モーターによる燃焼試験を実施しており、2019年度は、その試験結果を反映させた認定型モーターで2回の燃焼試験を行う予定。近日中に、櫓にSRB-3を付けて分離させる試験も実施する予定で、いま準備を進めているところだという。
第2段エンジン「LE-5B-3」は、認定型エンジンによる燃焼試験が完了。現在、データをレビュー中とのことで、問題がなければ、いち早く完成となる模様だ。今後、第1段BFTの後半シリーズが終了してから、同じスタンドで実機相当のタンクを組み合わせた実機型タンクステージ燃焼試験(CFT:Captive Firing Test)を実施する予定。
そしてLE-9は、引き続き種子島で実機型エンジンによる燃焼試験を実施中で、これが完了すると、次は認定型エンジンによる燃焼試験に移行することになる。現状、比推力がやや低いとのことだが、開発は概ね順調。今後、種子島の射点でCFTを実施してから、初号機の打ち上げに臨むことになる。
なお初打ち上げがいよいよ来年度ということで、具体的にいつくらいになるのか、そろそろ気になってくるところ。今回公開されたスケジュール表では、矢印がちょうど2020年末あたりに見えるが、何月になるかは現時点で未定とのこと。ただ、「前半後半でいえば後半。オリンピックよりは後になる」(岡田プロマネ)そうだ。
しかし未定とは言え、初号機の機体の出荷が2020年度の第2四半期で、種子島でのCFTが同第2四半期~第3四半期の予定と、スケジュールは押し気味。「2020年度に打ち上げるという約束を守るためには、余裕のある範囲内で設定したい。3月31日というわけにもいかない」(同)ため、2020年12月~2021年2月あたりが現実的なラインではないだろうか。