今回のSC18はテキサス州ダラスのKay Baily Hutchisonコンベンションセンターで開催された。各社などのブースの展示は11月12日(正確には、前夜祭のGalaで11日の午後7時から開場)から11月15日の午後3時までである。
SC18の日程としては11月11日から16日であるが、展示はブースの設営と終了後の後片付けがあるので、会期よりは開始、終了ともに少し短くなっている。
展示は、コンベンションセンターの展示ホールC~Fを使って行われ、展示ホールBは全員参加のキーノートなどの会場として使われ、展示ホールA以外はほとんどが使われた。展示の面積は約550,000平方フィート(約51,000平方メートル)で、約365の企業や大学、研究所などの団体が展示ブースを構えるスパコン界最大の催しである。そして、SC18の参加者は13,071人と過去最大であった。
会場と外部を結ぶSCinet
これらのブースの通信需要を支えるため「SCinet」というネットワークが構築される。SCinetの通信機器は、各社が負担し、設営作業は各社のエンジニアがボランティアとして行う。まあ、各社にとっては宣伝というところであろう。次の写真はSCinetの一部のルータなどの通信機器で、SCinetは、会場でも最大面積のブースとなっている。
今回のSCinetでは、会場と外部を結ぶ通信バンド幅は4.12Tbit/sにのぼる。この通信のための光ファイバの総延長は67マイルで、2マイル以上の新たな光ファイバが敷設された。なお、この光ファイバは残され、ダラスのインフラとして寄付される。
HPCのリーダー 米エネルギー省
米国のブースで何を最初に挙げるかと言えば、やはり、エネルギー省(Department of Energy)のブースであろう。
現在では、予算削減でエネルギー省傘下の研究所はひとまとめでDoEのブースに集められているが、Top500の1位のSummitを擁するOak Ridge国立研究所、Top500 2位のSierraを擁するLaurence Livermore国立研究所を始め、Argonne国立研究所、Laurence Berkeley国立研究所など傘下の20の巨大国立研究所を束ねて展示している。ブースの入り口に70年に亘るHPCのリーダーシップという看板が立っているが、DoEの研究所のHPCに対する貢献は並ぶものがないと言える。
HPCクラウドが花盛り
展示会場の風景として印象に残ったのは、次の写真である。手前にAmazonのAWSのブース、その奥にMicrosoftのAzureのブースが見える。Amazonが初めてSCにブースを出したのは5年くらい前のことで、その時は、クラウドでHPCが使い物になるようになったのかという印象であったが、今回の展示ではAWS、Azureともに大きなブースを構えている。
次の写真に示すように、Google Cloudも大きなブースを構えており、クラウドがHPCの中心になりそうな勢いで、様変わりである。