文部科学省および科学技術振興機構主催(JST)の「スーパーサイエンスハイスクール生徒研究発表会」が、平成30年8月8日(水)~9日(木)の2日間、神戸国際展示場にて開催され、SSH指定校関係者のほか、近隣の中・高校生、教育関係者、一般来場者など、述べ6,000名が参加した。
スーパーサイエンスハイスクールとは何か?
スーパーサイエンスハイスクール(SSH)は、先進的な理数系教育を通じて、将来社会を牽引する科学技術人材を育成することを目的とし、応募があった高等学校・中高一貫教育校の中から、文部科学省が指定するもの。指定期間は5年間。その間、SSH指定校は、文部科学省が所管する国立研究開発法人 科学技術振興機構より、研究開発を行う上で必要かつ適切と認められる経費等について支援を受けることができるほか、国際的なサイエンスフェアへの参加やSSH指定校の教師による情報共有が図られている。
SSH指定校の生徒研究発表会は、平成16年度から行われている。生徒が日頃の課題研究の成果を発表し、研究内容の着眼点や独自性、プレゼンテーション力、質疑応答への対応など、総合的な観点から多数の有識者によって評価され、最終的に文部科学大臣賞、国立研究開発法人科学技術振興機構理事長賞等が選ばれる。
同発表会に参加した宮川典子 文部科学大臣政務官は、「先輩たちの研究を継続していく中で新たな発見を積み重ねていくこともよいと思いますし、0(ゼロ)から1を生み出すような研究や発見をぜひやってもらいたいとも思います。今まで誰も気にしなかったこと、『なんとなく何かありそうな気がする』と思っていたことなど、高校生だからこそ気がつくテーマについて、自分が一番先に開拓するというパワーをもってもらいたいです。今の日本の子供たちは、効率的に賢く学ぶということがとても上手だと思いますが、1つ欠けていると思うのは、パイオニアの精神、フロンティアの精神だと思います。できる、できないとすぐに判断しがちな周囲の大人たちとのやりとりがあるかもしれませんが、そこを超えていってほしいです」と、SSH指定校の生徒たちへの期待を述べる。
またSSH指定校の教師や連携する研究機関、民間企業等については、「生徒の主体性を重視する課題研究において、生徒に何かを教えるとか、生徒を指導するということではなくて、生徒の興味があることに寄り添って助言をしていく体制を先生方が作ってくだされば、子供たちの発想力はさらに伸びるのではないかと思います。また研究機関の皆様には、『こうやらなければだめだ』ではなく、『こういうものもある』と選択肢を提供していただきたいです。民間企業の方にもSSH指定校の生徒たちの活動を見ていただき、面白そうな研究については、生徒たちが引き起こしそうなイノベーションの種を自分たちが見守っていく、というような態度で、継続的かつ積極的な連携・協力をお願いしたいと思います」と語った。