米オラクルは、2018年5月7日(現地時間)、カリフォルニア州レッドウッドシティの本社において「Oracle Global Media Day」を開催。世界各国から訪れた約50人の報道関係者を対象に同社の戦略などについて説明した。
今回、同イベントにおいて米オラクルのマーク・ハードCEOは新たに「Oracle Platinum-Level Support」を追加費用なしで2018年夏から提供することを発表した。
同サポートは、Fusion ERPやEPM、HCM、サプライチェーン、製造、販売、サービスをはじめとするOracle Fusion SaaSアプリケーションを対象に提供するもので、ハードCEOは「最高レベルのサポートを、標準サポートとして提供するものになる。つまり、競合他社と比べても、トップのサポートレベルを追加料金なしで提供することになり、最もモダンなアプリを、最高のレベルでサポートする。また、同時にポータルを作りなおし、セルフヘルプの機能も強化している。これが、新たなデジタル時代のサポートの仕組みであり、今後のSaaS業界の標準になる」と自信をみせた。
同席した米オラクル カスタマサクセス担当グループバイスプレジデントのキャサリン・ブラックモア氏も「オラクルほど、顧客の成功に投資をし、顧客を大切にしている企業はない。新たなサービスは、個々の顧客の特定の要件に対しても柔軟に対応できる新しいカスタムサポートサービスであり、顧客に選択肢を与えることができる」と説明。
また、同氏は「SaaSによって、顧客のアプリの活用の仕方が変わり、さまざまな顧客がアプリを活用するようになった。アプリを低コストで、迅速に導入し、ユーザーへの展開において必要なすべてのものを提供する必要がある。サポートサービスも、より機敏に、迅速に対応しなくてはならない。テクノロジーを活用するだけでなく、安定した環境で利用し、顧客のビジネスの成功を支援する体制を取る必要がある。そのための新たなレベルのサービスが必要であった。他社がプラチナやプレミアムとして、サポートをアドオンした際に有料化するのはおかしい。オラクルはそれとはまったく真逆のことを考えた」と補足した。
ベースパッケージには、24時間365日のテクニカルサポートとテクニカルモニタリング機能、顧客のビジネスプランに合わせた提案のほか、ポータルを通じて、人事や営業などの職種にあわせた2000以上にのぼるトレーニングガイドの提供などを行う。
ここでは、重大度1の問題に対して15分以内にテクニカルサポートからの回答を受けることができるほか、実装プロセスを通じて、ガイダンスと実地サポートを提供する専門技術者を派遣。最新の機械学習技術を利用した技術的問題の診断および解決、Oracle SaaSアプリケーションの導入支援、顧客の使用事例を分析したビジネスプロセス改善の推奨事項の提案なとが含まれる。
さらに、アドバンスドサービスを用意。顧客に対してエキスパートが対応し、顧客が持つビジネス特有の要件にも、深いレベルのサポートとカスタマイズされたサービスを利用できるようにするという。
「これらのカスタマイズされたオファリングは、必要に応じて追加することができるものであり、不要にバンドルされたサービスには課金されず、必要なサービスだけを選択することができる」(ブラックモア氏)
そして、ハードCEOは「契約期間を3年間に限定したパッケージのようなものではなく、2日分だけ契約するということもできる。アラカルトで組み合わせることができ、1社1社に必要なものを導入してもらえる。これは、パートナーにとってもメリットがある。新たなサポートの仕組みはパートナーには提供できないものを補完する形になる」とした。