ブロックチェーンには5つの特徴があります。
①トレーサビリティ
すべての取引の履歴がデータとして格納されているので追跡が可能です。
②全員で情報共有
すべての参加者で同じ取引情報などを共有しています。
③無停止
一部のノードがダウンしても、他のノードが活動していれば処理が続行できます。
④改ざん不可能
ある地点のデータを改ざんしようとすると、それ以降の過半数以上のノードに格納されたすべてのデータを修正しないと成立しません。改ざんするためのブロックが、長くなればなるほど改ざんは困難になります。参加者全員が取引結果を検証することができます。
⑤低コスト
中央集権的な大規模サーバが不要です。
ブロックチェーンの種類
ブロックチェーンを構成の違いで見た場合に、3種類に分けることができます。
①仮想通貨専用(従来の仮想通貨)のブロックチェーン
ビットコインやnemなどの、仮想通貨専用に使われるものです。ブロックチェーンにアクセスするプログラムの中に、あらかじめ仮想通貨を扱う処理が組み込まれています。
②スマートコントラクト(自動実行プログラム)が動作するブロックチェーン
Hyperledger Fabricと呼ばれるブロックチェーンに代表され、仮想通貨以外の価値も共有、管理できるように、独自にプログラムを開発して動かすことができるものです。このプログラムをスマートコントラクトと呼びます。
③ ①と②の両方を併せ持つブロックチェーン
Ethereumなど、仮想通貨などの価値の共有、管理の両方の機能を併せ持ったもの。①のように仮想通貨についてはあらかじめ組み込まれていますが、②のようにスマートコントラクトで独自に開発して動かすこともできるものです。
現在、ビジネスの基盤として注目されているのはスマートコントラクトにより仮想通貨以外の価値情報も扱えるブロックチェーンで、特にEthereumとHyperledger Fabricは実証実験で適用されている事例も多く、重要な位置づけとなっています。
ブロックチェーンネットワークモデル
ブロックチェーンをネットワークモデルとして3つに分類することができます。
コンソーシアム型の例では、国際間取引である貿易金融でブロックチェーンの実証実験が行われています。貿易取引においては、銀行が輸入業者の代わりに商品代金の支払いを保証するなど商品の売買取引を円滑に行うために信用状(L/C)が用いられています。この信用状をスマートコントラクトでやりとりすることにより、これまでの書類による取引部分を安全性、効率性、透明性などの観点で解決することができます。