テレビに代わるメディアを作り、ユーザーに動画を届けていく

CMerTVの今後の方針をおしえてください

まず、2018年中に「BEAUTINISTA TV」を100万人にリーチさせるネットワークにすることを目指しています。現在、238店舗に導入しており25万リーチができているので、これを4倍、約1000店舗に拡大していきます。例えばテレビの月9では、視聴者のうちF1・F2層は約200万人といわれています。なので、「BEAUTINISTA TV」でも、将来的に200万人リーチをベンチマークとしています。

そして「パーフェクトビューネットワーク」については、各メディアのページ単価を上げて行きたいと考えています。私たちがお借りして広告を配信いているのはWebの一等地なのに、CPMは高くても数千円程度です。しかるべきメディアはもっと高く評価されて良いはずです。現在のRTBの仕組みではどんどん広告の価値が安くなってしまうような悪循環がある中で、メディアはPV至上主義に走るのをやめて、しっかりとコンテンツの質を高めることでユーザーとの信頼関係を作っていくことが重要だと思います。パブリッシャーがそうしたメディア作りに注力できるよう、私たちはきちんとその価値を広告主に伝え、価値を上げていく努力をしたいと思います。

また、昨年12月に株式会社バンダイナムコエンターテインメントとも資本提携し、広告部門を任せていただいています。先方はこれまであまり広告モデルという文化はなかったのですが、弊社との資本提携後は、いくつかのアプリタイトルにてリワード広告(※アプリ内でユーザーに対してポイントやアイテムなどの報酬(リワード)を与える代わりに、動画広告を完全視聴してもらうタイプの広告フォーマット)などを導入されています。今後はゲームの世界観を崩さない広告枠の開発を進めていきます。

ブランディング広告を補完できる場所を生み出していくことが使命

CMerTVとしては、Web上に限らず、ユーザーの生活に合わせて必要な場所に動画を届けていく役割を担っていこうとしています。

テレビCMだけでなく生活者の視点やモチベーションにあわせて配信できる動画ブランディングのプラットフォームの構築が私たちの使命だと考えています。そのために必要な技術開発には惜しまずに投資をしていきます。こうした危機感はわれわれ以外にも、ブランディング広告に携わるプレイヤー全員が感じていることだと思います。なので、各テレビ局がアプリ等でキャッチアップ配信(※テレビ番組の放送直後、インターネット上でその番組をオンデマンド配信すること。)をしたり、ネットメディアがネットテレビ局を開局したりと、動画広告業界が活気付いていることは非常に嬉しいです。一緒に業界を盛り上げていきたいですし、牽引していけるよう我々も挑戦し続けて行きたいと思います。

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本稿は、fluct magazineに掲載された記事を転載したものです。