日本市場で法人向けを立ち上げてから5年、張氏は取り組みが実を結びつつあることを感じているようだ。
「ファーウェイは顧客中心企業で、顧客のところに足を運び提案をしてきた。品質という点では、我々がアプローチすれば、業界に関係なく評価いただけるという自信がついてきた」と述べる。
そして、2018年は3つのことに取り組むという。「クラウド」「産業別の開拓」「パートナー」だ。
クラウドは本社のフォーカス分野でもあり、秋に中国・上海で開催した自社イベント「ファーウェイ Connect」では世界5大クラウドの1つになる、と宣言した。日本での具体的な戦略については、「日本市場の顧客のニーズを勉強しているところ」と張氏、当面は「パートナーと共にお客様のプライベートクラウド、パブリッククラウドで我々の製品を活用していただくための活動を進める」という。
2つ目の産業別の開拓では、「グローバルの成功事例を日本に持ち込みたい」という。例えば、エレベーターやエスカレーターのシンドラーとはIoTで提携している。提携の下、シンドラーは自社エレベーターにセンサーを設置し、遠隔からのモニタリング、予測メンテナンスなどに役立てている。「日本でも同じような業界の企業と展開したい」と張氏はいう。得意の通信以外の分野にもファーウェイのデータセンター技術を広めていく狙いだ。
3つ目のパートナーでは、数だけではなく、サポートやトレーニングを強化するなど密度も深めるという。
データセンターハードウェア分野は再編の流れにあるが、張氏は「個人的には、今後も集約が進むと見ている。クラウドも淘汰され、ほんのわずかが生き残るだろう。ローカルではなく、ワールドワイドでビジネスができる会社でないと競争に勝てない環境で、ファーウェイはその1社になるために、これからも挑戦を続ける」と述べた。