一方、費用効果が高く、拡張性を持った分析エコシステムを実現するTeradata IntelliSphereを発表。分析に必要なソフトウェアポートフォリオを、エコシステムとして統合した製品と位置づけており、企業は、シンプルなサブスクリプションベースのソフトウェアライセンスを1つ活用することで、アクセス、展開、管理に必要なすべてのコアソフトウェアを利用できるという。また、Teradata IntelliSphereは、Teradata EverywhereとTeradata Analytics Platformを補完する製品になると位置づけている。
Teradata IntelliSphereは、Teradata Listener、Teradata Data Lab、Teradata QueryGrid、Teradata Unity、Teradata Hybrid Cloud Manager、Teradata AppCenterなど、10種類のソフトウェアコンポーネントで構成。さらに、将来的には新しいソフトウェアソリューションがリリースされる予定であり、IntelliSphereを通じて、新たなソフトウェア製品にもアクセスできるという。ちなみに、ヤフー・ジャパンが、全世界の最初のユーザーとして、IntelliSphereを採用している。
また、データサイエンスのスキルと分析の専門知識を、体系的で再現性の高い分析機能を提供するサービスとして、TeradataのAgile Analytics Factoryを提供。Analytic Ops Acceleratorや、業界データモデルを含むTeradata Business IPを活用することでし、深層学習モデルの生成、検証、展開、および管理を容易にするという。
Agile Analytics Factoryは、TeradataのVelocityサービスポートフォリオの主要なプラクティスとIPを活用。Velocityでは、分析戦略のアドバイス、分析的なロードマップの作成、多様な分析的なエコシステムの構築と実装により、ビジネス価値を最大化し、分析のあらゆる段階の企業を支援することができるという。
さらに、同社のAIへの取り組みとして、AI as a Servicesについても説明。不正検知や製造パフォーマンスの最適化、リスクモデリングなどにおいて、AIを活用することで、クライアントを支援。Financial Crimes AcceleratorやAnalytic Ops Acceleratorのほか、AI Rapid Analytic Consulting EngagementやAI Foundation Serviceなどにより、迅速なビジネス結果の提供と、AIからの実装リスクの低減を可能にしながら、AIをすぐに活用できる環境を提供するという。
「データサイエンスに関しては41%のCIOがスキルが足りないと言っている。その一方で業務の改革のために、AIに多くの投資が行われており、80%の企業がAIに投資をしているとの回答があるが、AIに適切な基盤がないという回答が42%、AIの必要なスキルが揃っていない企業が34%となっている。ITおよびビジネス意思決定者の91%が、AIの実現に障壁があるとみている。こうしたギャップを取り払うのが、Velocityであり、AI as a Servicesである」(テラデータのリック・ファネルシニアバイスプレジデント)と位置づけた。
事例として、北欧の金融機関であるDanske Bankを紹介。2016年秋から、Think Big Analyticsチームが協力して、Financial Crimes Acceleratorを不正検知に活用することで、すでに誤検知率を60%削減。リアルタイムで何100万ものオンラインバンキング取引データから、深層学習によって潜在的な特徴を導きだし、効率化と数100万ドルのコスト削減につなげているという。
ファネルシニアバイスプレジデントは、「コールセンター、航空機業界、海運輸送、金融といった幅広い業界に対して、VelocityとAnalytic Ops Acceleratorを提供することが可能であり、企業にとっては、ゲームチェンジにつなげることができる」と述べた。
ラッゼスバーガーエクゼクティブ・バイスプレジデント兼チーフ・プロダクト・オフィサーはまとめとして、「将来に向けたビジネスの準備や、意思決定や決断のリスクを軽減するためには、Teradata Everywhereを活用してほしい。常に変化するビジネスニーズに対しても俊敏に対応でき、アナリティクスのイノベーションにも取り組むことができる。しかも、アナリティクスを拡張できる。テラデータは、ビジネスアウトカムを最大化するために、テクノロジーを強化し、イノベーションをエッジまで進めている。企業の問題解決に対して、サポートすることに尽力しているのがテラデータである」と締めくくった。