10月18日から20日(太平洋夏時間)にかけての3日間、米ネバダ州ラスベガスにおいて、Adobe Systems主催のクリエイティビティ・カンファレンス「Adobe MAX 2017」が開催されている。Adobe MAXは同社のクリエイティブ・ツールのユーザ向けに行われる年次カンファレンスであり、今年は参加者数が1万2000人という過去最大規模での開催となった。
Creative Cloud登場以来、過去最大規模のアップデート
初日の基調講演では、同社CEOのShantanu Narayen氏や、Executive Vice President兼General ManagerであるBryan Lamkin氏などが登壇し、Creative Cloudの大幅アップデートや各種ツールの革新的な新機能、そして昨年発表された同社のAI基盤であるAdobe Senseiの近況などについて発表が行われた。
この日の発表の目玉となったのは、何と言ってもCreative Cloudの大幅アップデートである。5年前に鳴り物入りで登場したCreative Cloudだが、Bryan氏によれば今回のアップデートは過去最大規模のものになったという。
まず大きな発表としては、Creative Cloudに以下の4つの新しいデスクトップ・アプリが追加された。
・Adobe XD CC
・Adobe Dimension CC
・Adobe Photoshop Lightroom CC
・Adobe Character Animator CC
いずれもすでにβ版として提供されていたものや、既存アプリのリブランドだが、Creative Cloudによるデザインのカバー範囲を大幅に広げるものである。
UI/UXのデザインツール「Adobe XD CC」
Adobe XD CCはUI/UXのデザインツールであり、これまではAdobe Experience Designという名称でβ版が公開されていた。AdobeのVice President of Designを務めるJamie Myrold氏は、Adobe XD CCについて「デザインからプロトタイプ、そしてシェアまでをサポートするオールインワンのツール」だと紹介した。その開発コンセプトは以下のようなものだという。
・Experience First
・Build for Performance
・Crafted with the Community
3番目に挙げられているように、Adobe XD CCは約2年間にわたる長いプレビュー期間のうちに、コミュニティからの多くのフィードバックを得て洗練されてきた。その結果として、大量の画面をスムーズに描画できる性能や、直感的に扱える高い操作性など、プレビュー版の時点ですでに高い完成度を誇っていた。
「XDチームでは、XDをデザインするためにXD自身を使いました。直感的に使うことができるので、みなさんはツールの使い方ではなくUI/UXをデザインすることそのものにフォーカスを置くことができます」(Jamie氏)
正式リリースにあたっては、CCライブラリのサポートや、アセットパネルによるアートボード全体へのテーマの一括適用などといった新機能が追加されたほか、描画性能が大幅に向上しているとのことだ。
Adobe XD CCはCreative Cloud コンプリートプランに含まれるほか、月額1180円で利用可能な単体プランも用意されている。
またCreative Cloudの公式チャンネルであるCreative Stationのエントリ『Adobe XD CCに今後追加される機能は? 』では、すでに今後追加が検討されているいくつかの機能が紹介されている。正式リリース後も、β版提供時と同様にユーザからのフィードバックをもとに定期的なアップデートを継続していく方針だという。