2017年7月15日、ホビー通販サイト「あみあみ」を運営する大網(おおあみ)は、実店舗「あみあみ 秋葉原ラジオ会館店」をオープン。そこで、日本で初めてアニメーションによるAI接客システムが導入された。
今回、同システムで採用された人工知能(AI)は、Web制作会社ティファナ・ドットコムの「KIZUNA(絆)」。ディスプレイに表示されたキャラクターが、アニメーションによってちょっとした"しぐさ"を交えながら、ユーザーからの問い合わせに音声やテキストで対応してくれるというものだ。
大網のオリジナルキャラクター「あみこ」をアニメーションに起用したその接客システムは、"店頭接客型AIあみこ"として日々業務に勤しんでいるという。今回はそんなあみこの働きぶりを実際に調査するべく「あみあみ 秋葉原ラジオ会館店」へ足を運び、大網とティファナ・ドットコムの担当者に話を伺った。
店舗のことから雑談まで、2次元少女と楽しくおしゃべり
「あみこに搭載されているKIZUNAは、自然言語処理によって人の言葉を理解し、対応してくれるAIシステムです。あみこはそのシステムによって、音声もしくはテキストで投げかけられた質問に対して、回答を提示してくれます」と、ティファナ・ドットコム AI戦略室 課長の横山洋太氏は、あみこのスペックを紹介する。
続いて「あみこの主な仕事はカスタマーサポートですね。営業時間や売り場情報、当店の予約システムなどに関するお客様の質問に、店舗スタッフの代わりに回答してくれます」と、大網 あみあみ事業部 課長で広報販促室 統括の岩永梓氏が、あみこの業務内容について説明してくれた。顧客対応を担当するあみこは、開店から閉店まで大忙しだという。
では、実際にあみこはどのような対応をしてくれるのか。AI美少女の仕事ぶりを見てみよう。
まずは、トイレの場所を聞いてた。ちなみにあみこに質問する際は、画面上のマイクボタンを押したままの状態で話しかける。突然レディに話しかけるのはマナー違反だ。
「トイレはどこ?」という質問の意味を理解してくれたあみこは、フロアマップを表示し「トイレは、当フロアにあります。多目的トイレは2階にあります」と、かわいらしい声で答えてくれた。丁寧にマップ上にはトイレの場所を強調して表示してくれている。
続いて「のど乾いた」と話しかけてみる。すると「…すみません、ご質問内容がわかりませんでした。次はお答えできるように頑張ります」とのこと。どうやら、この質問はあみこには難しかったようだ。しかし、次は答えられるように頑張るという言葉からは、彼女の勉強熱心な姿勢が伝わってくる。
横山氏は「これで今回『のど乾いたという質問に答えられなかった』というデータが残るため、次から答えられるように学習させることができます。対話を繰り返すことによってKIZUNAは学習していくので、答えられない質問も徐々に少なくなっていくでしょう」と、あみこのポテンシャルの高さに期待を寄せる。
では「おなかすいた」はどうだろうか。楽しくなってきた筆者は2次元の少女に次々と質問を投げかける。するとあみこは「おなかすきましたね~。地下一階にレストランの銀座ライオンがありますよ」と、教えてくれたのだ。ラジオ会館にあるほかのテナント情報まで把握しているとは、恐れ入る。そのうえ「おなかすいた」という言葉そのものの意味を理解しただけでなく、質問に込められた意図を汲み取ってレストランを提案してくれるという心配りには感銘を受けた。
さらに「あみこ何才?」と、プライベートな情報の入手を試みる。その質問に対し、あみこは何のためらいもなく「私の年は16才です」と答えてくれた。素直な子である。
いろいろと質問を投げかけてみたところ、店舗に関係のないことでも気さくに話してくれることがわかった。どこまで答えてくれるのか気になる人や、もっとあみこのことを知りたいという人は、ぜひ実際に足を運んで彼女に問いかけてみてほしい。
また、彼女は英語も堪能なので、外国人観光客の多い秋葉原では特に頼りになること間違いなしだ。
ちなみに、キーボード入力による質問も可能なので、2次元とはいえ女子と話すことがちょっと苦手というシャイな人は、画面下の検索バーにやさしくタッチして、テキストでのコミュニケーションに挑戦してみよう。