u-bloxはこのほど、スイス・タルウィル(Thalwil)にある同社本社内に設置された信頼性評価ラボを報道機関向けに公開した。
同社は、GNSS・無線通信分野のチップ・モジュールを手がける半導体メーカーであり、最近では車載製品やIoT向け製品を重点分野とする事業戦略を打ち出している。これらの分野では、高温多湿、極度の乾燥、極寒、振動の多い環境など、さまざまなストレス条件下での製品使用が想定されているため、デバイスの品質管理と信頼性確保は、特に重要な課題となる。
同社は自社で製造工場を保有せず、デバイスの設計開発に特化したファブレス半導体メーカーである。このため、製品の品質管理プロセスについては、製造委託先のパートナー企業と緊密な連携をとっており、パートナーと共同開発した品質管理戦略を製造プロセスに組み込むというやり方をとっているという。
同社CEOのThomas Seiler氏からは、製品の信頼性に関して「品質管理とはまた異なったプロセスであり、品質と信頼性の両プロセスの相互連携を上手く取るようにしている」との説明があった。デバイスの設計・開発だけでなく、信頼性評価技術に関しても独自のノウハウを蓄積していることが、今回のラボ公開では強調されていた。以下、ラボ内の様子を写真で紹介する。
ラボは複数のフロアにわたって設置されていた。問題が起きたデバイスを解析して不良原因の究明を行うエリア、原因究明を終えたデバイスの性能評価を行うエリアなどに分かれて運用されている。
温度・湿度を過酷な条件で変動させてチップやモジュールへの影響を調べる設備は、特に充実しており、多数の装置が並行して運用されていた。
モジュールを通電状態にしたまま温度・湿度を変化させて試験するための装置もあった。上の写真では、通電状態で湿度を40%~85%などと変動させながら、セルラー用モジュールの試験を行っている。