教育現場向けのハード機器では、ソニービジネスソリューションが主に大学教員向けに6月に発売を予定している「DTP-RP1」が注目を集めていた。厚さ5.9ミリ、重さ約349グラム、A4サイズ相当の13.3型モノクロディスプレーを搭載した電子ペーパーで、紙のような書き心地とレスポンスを実現していた。
その他出展が多かったのは、電子黒板やプロジェクターだ。中でも目を惹いたのはガイアエデュケーションの出展で、Android OSを搭載しパソコン不要で使用可能なプロジェクターや電子黒板が興味深かった。
政府は2020年までに全国すべての小中高校に無線LANを配備し、教育用タブレットを導入する方針だ。この施策に向け、タブレットの教育現場における利活用法が今後ますます求められるようになるだろう。そんな中、ヤマハはリコーダーなど各種楽器演奏の学習用教材や、「ボーカロイド教育版」として、タブレット画面で直感的に作詞作曲ができるツールを紹介し、注目を集めていた。
その他ユニークだった出展は、ルミテックの「いじめ感知システム」だ。いじめに関するアンケートをタブレットなどを用いてクラウドで収集し、そのデータを"ネガティブワード"などから分析していじめの兆候を検知。情報を教育委員会へ通知し、学校、カウンセラーと連携し、学校現場におけるいじめの早期発見と解決につなげようという挑戦的な試みだ。
アイティーオーエスの教育用3Dモデリングソフト「作ってみよう」。図形を回転や変形・合成したり、演算処理などの機能により直感的に空間認識能力を高めることができる、初心者向けの教育ツール |
ルミテックの「いじめ感知システム」。いじめに関するアンケートをタブレットなどにより送信し、クラウド上でデータを収集。結果を分析して、いじめの兆候を教育委員会などに通知するITソリューションだ |
全学校への無線LANやタブレットの導入、義務教育課程におけるプログラミング学習の必須化など、2020年度以降の教育現場を視野においたさまざまな製品や教材、ソリューションが登場した今回の展示会。わずか数年以内に一新される教育現場における最先端のIT化事情を垣間見ることができた。