PFUは1月27日、都内で「先進企業に学ぶe-文書法対応経営課題対策セミナー」を開催。この中では、モバイルコンテンツサービスの配信事業者として成長してきたエムティーアイが、ワークスタイル変革に向けe-文書対応を行った取り組みを紹介した。

エムティーアイは、音楽・動画・書籍の総合配信サービスの「music.jp」や女性向け健康情報サービス「ルナルナ」の運営事業者として有名だ。現在は、さらに健康管理アプリ「CARADA」など、ヘルスケアサービスにも注力している。

同社は近年、ワークスタイル変革に取り組んでいる。「エムティーアイは若い人が非常に多く、出産や育児といったニーズが高い。育休・産休をいかに有効にとってもらうかを考えており、そのためには働き方改革が不可欠です」と語るのは、上席執行役員 コーポレート・サポート本部 副本部長 兼 経理部長の沖野俊彦氏だ。

社会的に女性の活躍が増える中、出産・育児・介護といった家庭の事情と仕事を両立させられる働き方に注目が集まっているが、エムティーアイの社員平均年齢は34.6歳と若く、約34%が女性社員という構成であるため、特に対応が重視されるのだという。

ワークスタイル変革の必要性

具体的には多様な働き方への対応や人材の活用、コミュニケーションの活性化、高付加価値業務へ注力できる環境づくりといった課題に対応するために、在宅勤務や時短勤務、フレックス、テレワーク、ダイバーシティの推進といったことに取り組んできた。今後はフリーアドレスやAI、RPAの導入にも積極的に取り組んでいく。

ワークスタイル変革と業務効率化に向けてe文書対応を促進

「在宅勤務やテレワークを実現するためには、書類が紙であってはやりづらいため、e文書化を進めてきました。紙で書類をやりとりすると非常に時間がかかりますから、できるだけ書類を電子化して電子承認で対応するように取り組みを行ってきました」と沖野氏が語るように、エムティーアイでは2007年から会計帳簿や各種申請書類の電子化に取り組みはじめ、順次システムの導入や業務の再構築などを行ってきた。

ワークスタイル変革とe文書対応

在宅ワークへの対応は、在宅勤務者だけでなく出張先での承認など管理職の業務効率化にも役立つ。2016年からはドキュメントの電子化なども進められている。これにより、多様な働き方に対応可能になってきているわけだ。

e文書対応に向けたこれまでの取り組み

さらに同社では、経理・会計分野でのe文書対応も進めている。こちらは監査等への対応を効率化するためのものだ。

「監査法人の監査が四半期に1度あるのですが、その都度書類を出さなければなりません。また税務調査も数年に1度ありますが、グループ会社の会計をすべて本社でやっているので、税務調査が毎年あるような状態です。こういった対応も考えると、毎回紙を引っ張り出す手間をいかに削減するかというのも重要だと考えています」と沖野氏は語った。

会計系のe文書対応ということで、2017年1月には領収書や請求書の電子帳簿保存法への対応を開始した。