2020年までにデータセンタースイッチの市場規模は200億米ドルに拡大

--データセンタービジネスの考え方は?

ナラヤナスワミー氏:現在、データセンター(DC)スイッチの8割はネットワーク仮想化で動いており、SDNや一元管理、クラウドベースなどを牽引している。将来的なDC事業を見据えると、オープン、仮想化、SDNの方向に進むのではないかと考えており、われわれの見立てでは2020年までにデータセンタースイッチの市場規模は200億米ドルに達すると予測している。今後、DCネットワーキングの重要な要素となり得るのは仮想化、集中一元管理、高視認性、クラウドインテグレーション、セキュリティなどではないだろうか。

データセンターネットワーキングプラットフォーム

セキュリティについては従来、ぺリメーター周辺だけだったが、現在は至る所に脅威があるためパブリック内のセキュリティも担保しなければならないほか、あらゆる通信関係や物理・仮想サーバなどのフローに対し、セキュリティを万全にしていかなければならない。

--低遅延への対応は?

ナラヤナスワミー氏:確かに金融業界などは低遅延の要望があり、例えばオープンSDNのファブリックを導入することで、顧客の行動様式に基づく形で低遅延を達成してきた。また、現在のアーキテクチャはマルチレイヤーとなっているため、あらゆるカ所に遅延が発生し得るようなボトルネックが生じてしまっているのが現状ではないだろうか。

われわれが採用しているリーフスパインというアーキテクチャは、サーバ間、VM間であれ、高いパフォーマンスをソフトウェア、ハードウェアを組み合わせて実現できる。また、SDNソフトウェアのアプローチは導入することでネットワーク上に混雑が発生しないほか、ネットワークの可視化を保障するため、堅牢かつ速度を担保した製品を提供している。

--開発の考え方は?

ナラヤナスワミー氏:OS単体ではニーズを満たすことはできないため、さまざまな選択肢を選べるプラットフォームとして「Dell Networking OS10」があり、顧客が選択したサードパーティーのOSのホスティングができる。そのため、今後も継続的にプラットフォームの開発に投資をしていきたいと考えている。

Dell/EMCのオープンネットワーキング

--今後、ターゲットとする業界は?

ナラヤナスワミー氏:主要な業界はすべてカバーしている。例えば、通信業界では大手と取引しており、デプロイを展開している企業としてはベライゾンなどがあり、大規模なOpenStackをベースとしたNFV(Network Functions Virtualization)を導入し、われわれはサーバやネットワーク、ビッグスイッチ、OSなどを提供している。

また、クレジットカードや銀行、金融業界、多国籍企業、クラウドプロバイダーも支援しており、オープンネットワーキングは広範囲な業界を支えている。一方、日本では通信や研究機関、高等教育機関、製造業、金融機関などを支援している。

--日本での事業展開は?

ナラヤナスワミー氏:日本はアジアの他地域をリードし、導入に関しては先進的で今後もカギとなるマーケットであり、この勢いを活用していきたい。また、適応もスピーディなため、他国・他地域が日本に追従していくことから、将来的にも日本は重要な地域として捉えている。