9月に統合が完了したDellとEMC。近年のIT業界においても、まれに見る大手企業の統合は、今後の業界にどのような波及をもたらすのだろうか。11月には都内で「Let the transformation begin(一緒にデジタル変革を始めよう)」をテーマに「Dell EMC Forum 2016 Tokyo」を開催し、ここ数年のトピックであるデジタル変革の支援に対する今後の意気込みがうかがえた。今回、同社のオープンネットワーキング戦略や将来性について米Dell EMC Asia-Pacific Japan Open Networking Strategy Directorのラグパシー・ナラヤナスワミー氏に話を伺った。
--オープンネットワーキングとは?
ナラヤナスワミー氏:ネットワークを構成する要素を分離することであり、従来型のネットワークはハードウェア、ソフトウェアなどの構成要素はすべて1つものとして閉じられていたが、これをわれわれは完全に分離した。
ハードウェアとソフトウェアが切り離されているため、顧客は独自の環境に適したOSを選ぶことができるようになっている。ベンダーが持つアーキテクチャから顧客を解放したいという考えからスタートしており、オープンアーキテクチャとして活用できるため、さまざまなハードウェア、ソフトウェアの使用を可能としている。
また、オープンネットワーキングのメリットは「柔軟性」「高いコスト効率」「顧客のオープンスタンダードツールを拡張する形でネットワークに使用が可能」の3つが挙げられる。
--アジアパシフィックでの状況は?
ナラヤナスワミー氏:オープンネットワーキングが使用されてから2年経過しており、成長が著しい。北米などの成長は緩やかだが、アジアパシフィックの成長は顕著だ。
業界の動向として、顧客はクラウドベースのソリューションやOpenStackといったオープンエコシステムなどを求めており、世の中がよりオープンに動いているため、それを支えるネットワークもコンピュータストレージと同様にオープンなものをという声が多い。導入先はデータセンターが中心となり、業界としては横断的で通信や金融、調査機関、教育機関などに導入実績がある。