こうしたコンセプトに基づいて開発された主な新製品は以下のとおりだ。

テーブルシステム「LEMNA(レムナ)」

まゆ型やウイング型など8種類の天板形状と、脚部とテーブルの新カラー、国産杉材や指紋がつかない新素材などを採用。天板のカラーも、グレー、ベージュ、ブラック、ホワイト、木目(3色+突板2色)、杉の10種類が用意されている。

利用シーンに応じて使い分けることができる多彩な天板形状

上下昇降テーブル「OPERNA(オペルナ)」

オフィスワーカーが自ら、利用シーンに合わせて高さを自在に調整できる昇降天板が採用されている。

目線の高さを変えてさまざまなコミュニケーションを支援する

ソファ「TRIVIO(トリヴィオ)」

同じソファに座りながらも、隣の人と視線が合いづらいシートデザインにより、さまざまな人々が集まるリフレッシュエリアでの個人業務をサポートする。

隣の人と視線が合いづらいデザインにあっているため、リフレシュエリアでも個人業務を可能にする

「クリックシェアCSE-200」

ボタンをPCに挿し込み、社内ネットワークへの接続をせずに、ワンクリックするだけでPC画面をプロジェクターなどにワイヤレスで投影できるプレゼンテーションツール。

「wivia Button(ワイビアボタン)」

「wivia(ワイビア)」は、パソコンやスマホ・タブレットのデータをネットワーク経由で簡単に投影することができ、ワイヤレス環境での効率的な会議を実現するシステム。「wivia」本体に「wivia Button」をペアリングすることで、HDMIで接続した入力機器の映像を無線LANで転送できる。

「クリックシェアCSE-200」

「wivia Button(ワイビアボタン)」

続いて、新製品も展示されている新川第2オフィスが披露された。同社は2012年から「チェンジ・ワーキング」プロジェクトとして、社員参画で新たな働き方を進めてきたが、竣工後4年間の時間経過により、組織再編や新入社員増に対応してオフィス活用の効率を図りつつ、アクティブ・コモンズをさらに進めるため、新川第2オフィスのリニューアルを行った。

今回、7階と6階を見学することができた。7階では、設計部門のプロジェクト、アジャイル開発、チームミーティング、シンクライアントを導入した企業のワークシーンを想定した展示が行われていた。

これらのうち、最も興味深かったのが設計部門のプロジェクトのワークシーンを想定した展示だった。ここでは、大画面を使って業務の進捗管理や図面などをメンバーで共有し、テキストや動画などのマルチコンテンツを活用した議論が行える。

ソリューションとしては、仮想化会議室と電子付箋システムを備える「iObeya」と複数コンテンツを表示できるシステム「RealsizePresenter」が用いられる。このエリアは壁面がデジボードとなっており、壁面をタッチすることで操作が行える。

一方、6階では、ライブラリーラウンジ、遠隔ミーティング、設計部門向けのペーパーレス会議などのワークシーンを想定した展示が行われていた。

エントランスのすぐ脇にあるライブラリーラウンジは国産木材を活用した空間となっている。「国産木材を採用することで、多様性のある働く場に心地よさを実現する」(大久保氏)という狙いがあるという。また、門元氏は「杉には多くの効能があるので、杉を利用することで、気持ちのよい空間を作ることができる」と語っていた。

7階の窓際の席。ソロワーク用のデスク、グループワーク用のデスクが設置されている

7階のアジャイル開発ワークシーンのエリア。机や椅子の足にクルマが付いているので、業務に応じて簡単に動かすことができる。また、すぐに会議が行えるよう、脇にはホワイトボード付きディスプレイスタンドなどが設置されている

左から、仮想化会議室と電子付箋システムを備える「iObeya」、複数コンテンツを表示できるシステム「RealsizePresenter」。壁面をタッチで操作できるのは便利だ

6階で業務中の従業員の方々

6階の中心には、立ったままミーティングが可能なスペースが

国産木材がふんだんに使われたライブラリーラウンジ

今年は働き方改革に取り組んでいる企業が多いが、オフィスファシリティを専門に扱う企業だけあって、同社の取り組みは細かな部分まで行き届いているように感じた。同社の仕組みをすべて取り入れることは難しいかもしれないが、できることからチャレンジしていくことで、働き方を変えていけるのではないだろうか。