内田洋行 代表取締役社長 大久保 昇氏

内田洋行は11月8日、11月9日から3日間にわたり、新しい働き方を提案するオフィス新製品展示会「UCHIDA FAIR 2017」の開催に伴い、リニューアルした働き方変革の実践の場である新川第2オフィスを公開した。

記者説明会では初めに、代表取締役社長の大久保昇氏が、同社における「働き方変革」への取り組みについて説明した。

社内研究所である知的生産性研究所は1989年の設立以来、「働き方」と「働く場」を推進。同研究所は2010年、働き方と働く場を同期させて相乗効果を発揮して新しい組織風土を生み出す「チェンジ・ワーキング」コンサルティングサービスを開始し、2012年には、その仮説の実証を目的とした自社実践「チェンジ・ワーキング」自社実践プロジェクトを開始した。実際、同プロジェクトでは、さまざまな成果が上がっている。

「チェンジ・ワーキング」プロジェクト1年目の成果

大久保氏は「チェンジ・ワーキング」プロジェクトに取り組む背景について、「日本では少子化とともに、高齢化が進んでいる。企業の労働人口のピークは1995年で、それを境に減少の一途をたどっている。働き方を変革することで、労働人口の減少を解消したい」と語った。

そして、知的生産性研究所が2011年に提唱を始めた考え方「アクティブ・コモンズ」が紹介された。これは、オフィスワーカー自らが業務に応じてパフォーマンスを最大限に発揮するための最適な場所を選ぶことを指す。

大久保氏は、「チェンジ・ワーキング・プロジェクトにおいて、1日の3分の1はコミュニケーションの時間であり、一人で行う労働時間の9割は自席以外で可能であることがわかった。ならば、業務に適した場所で仕事を行うほうが効果が上がるのではないかというわけだ」と述べた。

同社では、「アクティブ・コモンズ」を実現するワークシーンとして、「集中したソロワーク」「専門性の高いプロジェクト」「思い立ったらすぐにできるミーティング」「他社と情報共有するカフェワーク」「最新情報に触れるライブラリワーク」「休憩の合間のラウンジワーク」を想定している。

「アクティブ・コモンズ」を実現するワークシーン

内田洋行 オフィス商品企画部 部長 門元英憲氏

このたび、「アクティブ・コモンズ」を実現するオフィスファニチャーの新製品が発表された。新製品の詳細については、オフィス商品企画部 部長の門元英憲氏が説明を行った。

門元氏は新製品の開発コンセプトについて、「アクティブ・コモンズを実現するには、空間はよりシームレスにデザインされる必要がある。ワークスタイルの変化によって、空間デザインは変わる。新製品はデザインの統一性を図りつつ、可変性や柔軟性を重視して開発された」と述べた。

最近、スタンディング・スタイルの会議を取り入れる企業が増えてきているが、同社ではハイテーブルを活用した業務の可能性の実証実験を実施。その結果、業務によって適したテーブルの高さが異なることがわかったという。

ハイテーブルワークの可能性を探る実証実験の結果