近未来のオフィスの実現を見据えた新製品群

ここまで見てきたような「近未来=アサッテ」のコンセプトを実現するには、今から準備しなければ間に合わないと語った同社代表取締役社長・平井嘉朗氏。導入することでフレキシブルなオフィス空間を設計できるオフィス家具を複数発表した。

「PiO frame(ピオフレーム)」

中でも一番"未来的"な姿をしていたのは、2016年12月から発売される「PiO frame(ピオフレーム)」。人工芝とメタルフレームを組み合わせたスペースで、目的に合わせて簡易ミーティングスペースや歓談スペースなど、多様な利用が可能だ。

この製品は同社が提案する「Workcise」をもとにした設計がされており、ぶらさがってストレッチや懸垂などの運動が可能な強度となっている。これまでのオフィス環境では「創造性」が強く提案されてきたが、それには土台となる「健康」が不可欠であることを強調。「健康な人がオフィスに来る」という認識から、「チームにおける健康や、各人の健康の維持」へとオフィスにきても健康でいられるような、健康作りへの意識づけを促す設えの提供を目指している。

創造性の高い仕事の遂行には健康が不可欠であり、それを保つための「仕事でできる」運動が「ワークサイズ」。健康課題ごとに有効な対応を研究している

このほかにも、可変性の高いワークステーション「ActLink(アクトリンク)」や、一カ所から導入できるセキュリティシステム「Seculecti(セキュレクティ)」など、1つのオフィスの中に多様な用途の設えを実現する新製品が紹介されたほか、

ハイバックのパネルにより外からの視界を遮った「pinamo(ピナモ)」。座ってみるとほどよい固さの座面で、個人の執務に集中するのに向いた設計だと感じた

セキュリティシステム「Seculecti(セキュレクティ)」は、マイナンバー制度により1室だけ電子キーを導入したいというような要望にも対応可能という

テレワークなどに代表される「働き方革命」が進められている昨今だが、オフィスだからこそできる共創の促進や、個人宅やカフェよりも質の高い執務空間など、「あえて行きたくなる」オフィスに対するアプローチが詰まった展示となっていた。参考出展されていたさまざまな提案が近い将来に実用化され、その記者発表会が開かれることを期待したい。