AIが会議の進行を務め、ロボットがプロ級のお茶を提供する――。そんな近未来のオフィスの姿を提案しているのは、オフィス家具で知られるイトーキだ。
本稿では、イトーキが11月8日から開催するBtoB展示会「ITOKI PRESENTATION 2017」で紹介された、先端技術をとりこんだ近未来のオフィスのモデルケース展示を中心にお届けする。
会社に行かなくても働ける時代のオフィス
同社は、「~アシタのオフィス、アサッテのオフィス~」というコンセプトを掲げ、2017年~2025年を想定した近未来のオフィスを提案している。
既存のオフィスでは珍しい空間づくりの展示。料理や食事も可能なリビングワークスペース(左、中央)、近年ビジネスシーンで注目されている瞑想を行うための「沈思黙考」エリア(右)。これらに加え、個人やチームに向けたワークスペースを含む多様な空間から、個人にあった場を選択可能にする |
オフィス環境のトピックとしては、スタンディングワークやフリーアドレス制など、座位・座席固定の従来のオフィス空間とは異なる仕組み・執務方法が注目されている。
だがこうした仕組みの導入は一括で行われることが多く、働く側から見ると、「与えられた環境を使う」という状況はあまり変わっていなかった。
同社が提案するのは、個人作業とグループワーク、集中あるいはリラックスなど、用途や設えが異なる空間を複数展開し、個人が自分の状況にあわせて主体的に選択するような運用方法だ。テクノロジーの進化によってどこでも働ける状況にあるからこそ、「わざわざ行く価値のあるオフィスを作っていく」(同社代表取締役社長・平井嘉朗氏)という。