日本からの発表は前回と同じ7件

UCPSS2016における国別発表件数(登壇者の所属組織の所在国で分類)は、いつもながら米国が15件でトップ、ベルギーが12件、フランス11件、ドイツ9件, 日本7件、韓国5件、台湾4件、中国とイタリアが各2件と続く。ほかに、オーストリアとシンガポールが各1件となっている。

日本は18件(2008年)、9件(2010年)と 件数を減らしてきたが、2012年以降7件に留まっている。今回、日本からの発表7件を表2に示す。日本人の発表としては、このほか海外企業(米国Lam Research)から「枚葉洗浄における帯電の制御」と題する報告が1件あった。

日本の半導体メーカーの中で、唯一、ソニーは毎回コンスタントに複数件発表しているが、以前は常連だった東芝が消えてしまったのは残念である。アカデミアでは、静岡大学が健闘しており、毎回発表している。以前、クリーン化分野で活躍していた東北大学もここ数年発表がない。スクリーンセミコンダクタソリューションズや栗田工業からの発表は、両社からそれぞれimecへの出向社員によるもので、実質的には、imec主導の研究である。東京エレクトロンは、米国法人からは発表があったが、日本からは発表がなかった。世界半導体洗浄装置業界で、日本勢は高いマーケットシェアを誇っているにもかかわらず、実質的には独自の発表がまったくないというのはさびしい限りだ。

発表テーマ 発表者の
所属機関
備考
拡張ナノ流体デバイスとユニークな流体の性質 東京大学 招待講演
PVAローラーブラシとウェハ間の摩擦力の測定 静岡大学 荏原製作所と共著
基板に固着したパーティクル除去力の直接測定 静岡大学 荏原製作所と共著
ウェットエッチのウェハエッジへの影響 ソニー (単独発表)
III-V族半導体中の微量金属汚染の定量分析 ソニー (単独発表)
Ge表面ウェット処理後のリンスの影響 スクリーン imecと共著
SiGeエピ成長における純水中の過酸化水素の影響 栗田工業 imec/スクリーンと共著
表2 UCPSS2016における日本からの発表