Head Of オープンソース!?

GitHubはオープンソース・ソフトウェアを使って開発されているサービスであるため、オープンソース・プロジェクトに対しては無償でサービスを提供している。いわば、これがGitHubの提供するオープンソース・プロジェクトへの恩返しということになる。

このためGitHubはおのずとオープンソースとの関わりの深い企業なのだが、同社にはオープンソースという部門があり、当然ながら部門長が存在している。役職名は「Head of Open Source」、オープンソース部部長といったところだ。この役職を務めるのがBrandon Keepers氏だ。

GitHub, Head of Open Source, Brandon Keepers氏

GitHubを使っているオープンソースプロジェクトはいくつもあるが、特に規模が大きくてアクティブなプロジェクトをKeepers氏に聞いたところ、次のプロジェクトを教えてもらった。

  • Linuxカーネル
  • Bootstrap
  • Homebrew

Linuxカーネルが挙がるのはさもありなんだ。GitHubがバージョン管理システムとして使っているGitはもともとLinuxカーネル開発のために開発されたものだ。世界で最も大きなオープンソース・プロジェクトの1つであるLinuxカーネルの開発は、同時にGitHubのもっともアクティブなクライアントでもある。

Bootstrapは最も人気のあるWebアプリケーションフレームワークの1つ。Twitterで採用しているUI/UXを簡単に導入することができる。デザインは洗練されていてクールだ。HomebrewはMac向けのパッケージ管理システムで、Macで使えるパッケージ管理システムとして最も勢いがあるかもしれない。

これら以外にも、AppleやMicrosoftも自社のオープンソース・プロジェクトの取り組みをGitHubで展開するなど、GitHubはもはやオープンソース・ソフトウェア開発においてなくてはならないプラットフォームになっている。

GitHubはオープンソース・プロジェクトであれば無償で利用できる。「Head of Open Source」という役職は、特に必要ないのではないかと聞いてみると、GitHubにおいて「Head of Open Source」は、開発者向けというよりは、社内外への情報提供などを目的として機能しているということだった。

オープンソースには高いポテンシャルがあるが、このポテンシャルを生かすには営利企業としての取り組みもしなければならないし、取引先とのコミュニケーションも必要になる。いわば。GitHubにおける「Head of Open Source」はオープンソースに関する何でも屋さんのようなもので、必要に応じて調査、研究、提案、発表、交渉などオープンソースに関するさまざまな取り組みを担当する人たちのことを言うようだ。コミュニケーションが大きなポイントになっている。