中国のファーウェイは8月31日~9月2日、中国上海で同社の年次イベント「HUAWEI CONNECT 2016」を開催した。初日の基調講演では、 輪番CEOの一人である胡厚崑(ケン・フー)氏が、今後訪れるクラウド2.0の世界と、それに向けたエコシステムの重要性を訴えたが、これを受け、3日目の基調講演では、輪番CEO 兼 取締役副会長の郭平(グォ・ピン)氏が、ファーウェイの具体的なエコシステム戦略を説明した。
同氏はまず、エコシステムの重要性を次のように語った。
「企業の強みという点では、自社の強みだけでなく、いかに外のリソースを有効活用できるかが重要だ。新しいICTのエコシステムは、オープンでダイナミックでかつ、新しいパートナーを喜んで迎え入れるシステムでなければならない。また、ICTのニーズが複雑で変化に富んでいるため多様性も求められている。われわれは不確定な将来に対して、多様性で対応しなければならない。その原動力は内部からではなく、外部から取り入れることになる。自分が持っていないリソースをいかに取り入れて活用するかだ。また、WIN-WINの関係を築くことも大切だ。互いに共存できるような利益の共同体をつくる上げることだ。企業の強みというのは、自身の強みとエコシステムの強みを組み合わせてはじめて生まれるものだ」(グォ・ピン氏)
同氏はエコシステムを構築する上で、ファーウェイには3つのコンセプトがあると説明した。
1つ目は、業界のマーケット規模を拡大することに注力することだという。
「クラウド時代のファーウェイの戦略としては、事業を大きくして、マーケット自体を広げていくことを目指しており、シェアを取ることもよりも重要だ。これは、将来のエコシステムを築く上で通らなければならない道であり、業界のリーダーとしての責任でもある」(グォ・ピン氏)
2つ目は競争力強化よりも、協業を重視することだという。
「ファーウェイは大企業から偉大な企業にならなければならない。ファーウェイにとって、協業をマネージメントすることは、競争をマネージメントすることよりはるかに重要だ。一人で行くほうが早いかもしれないが、より遠くに行くためには、みんなで一緒にいかなくてはならない」(グォ・ピン氏)
3つ目は協業相手と利益を共有していくことだという。
「お互いに協力し合って価値を作り出していくことが重要だ。われわれは協業関係を結んでいるパートナーと利益を争うようなことはしない。ファーウェイがエコシステムの中で果たす役割は、土壌とエネルギーだ。オープンなアーキテクチャーを提供し、オープンソースコミュニティーに積極的に参加していく。われわれの戦略は、仲間に取り入れられる人は、すべて仲間に取り入れ、利益を共有することだ。これは学術機関や研究機関にも広げていかなければならない」(グォ・ピン氏)
具体的には、業界(業界の協業を引っ張り一緒にマーケットを大きしていくためのもの)、ビジネス上の戦略的協業、オープンソース(コミュニティ)、デベロッパーの4つ協業を行っていくという。
そして同氏は次のように語って、講演を締めくくった。
「今後はビッグアライアンスの時代になる。われわれは今後、業界にエコシステムの土壌とエネルギーになって、業界の進歩をサポートしていきたい」(グォ・ピン氏)