インバウンド対応を強化する仕組みは、「リテールソリューション」と「フードソリューション」の両エリアで紹介されている。
「リテールソリューション」では、主に店頭での免税対応を簡便化するものとして「RegiGrow」などが展示されていた。
既存POSに追加して免税帳票の作成のみを行うタイプと、POSでの会計処理中に免税処理を行うタイプとの展示が行われていた。どちらもパスポートスキャナを利用して、名前・国籍・生年月日・パスポート番号を自動取得。画面上で上陸年月日や在留資格を簡単に入力することも可能で、来店者も店舗担当者も手書き処理を行うことなく帳票が作成できる。
観光地の土産物店などでの導入事例が多いということで、バーコードスキャナとパスポートスキャナを一体化した製品など、店舗での運用を簡易にするツールも展示。規制緩和に対応して電子サインパッドに対応した製品の開発も予定しているという。
インバンド対応を行うソリューションをささえるものとして、ミドルウェアの展示もされていた。多言語対応のスピーカーシステムはテキスト入力されたものを読み上げるだけなのだが、各言語で流暢な発音をしてくれる。事前に接客用語の入力をしておけば、現場オペレーターが話せなくとも音声による対応ができる。展示会ではPOSに組み込み、パスポートリーダーで読み取った国籍にあわせて、この後何をして欲しいのかをガイドさせた。POSに単純な会計処理だけをさせるのではなく、言語力のない状態でいかに店頭対応をスムーズに行うかという面のサポートもさせる試みだ。
メニュー選択から食べ方までを伝える飲食業でのインバウンド対応
「フードソリューション」ではデジタルサイネージを利用して多言語でのメニューボード表示を実演。言語に合わせて複数のメニューを作成する、フィルムを差し替えるといった手間とコストを抑える効果がある。また、店舗外へ置いて呼び込むためのものではなく、店内に設置してアピールしたいメニューを表示するなど、新しいデジタルサイネージの使い方も提案。POSと連動させ、販売数を限定したメニューの残数をリアルタイムに表示するという使い方も可能だという。
客席に設置するセルフオーダーシステム「FoodFrontia St」も多言語対応させていた。メニューの表示言語を切り替えるだけでなく、メニューの詳細な説明が読めたり、食べ方を解説する動画が閲覧できたりと、訪日観光客が手軽にメニュー選択が行えるようになっている。メニュー名だけでなく食べ方まで解説することで、店員が多言語対応できなくとも問題がない。
また、インバウンドという形を超えて、外国人労働者が増えてくる中で働きやすさや安全性を高めるものとして、自動釣り銭機やレジ連動の監視カメラの展示もあった。自動釣り銭機は会計業務の簡便化を実現するものだ。監視カメラは不正防止という意味ではなく、違算金が発生した時に担当者の故意によるものではないことの証明等が簡単に行えるよう、会計処理の前後数秒を撮影した映像を電子ジャーナルと連動させて管理する。
同ショールームでは、飲食業における店舗側と顧客側の両方に対してサポートを行うソリューションが展示されていた。