また、メディア・ツアーでは、ITプロダクトラインの技術開発戦略について、プロダクト&ソリューショングループ データセンター・ソリューション担当最高技術責任者 ロナルド・ラフェンスパーガー/Ronald Raffensperger氏から語られた。

プロダクト&ソリューショングループ データセンター・ソリューション担当最高技術責任者 ロナルド・ラフェンスパーガー/Ronald Raffensperger氏

同社が本格的にITプロダクトに参入したのは、シマンテックとの合弁会社の株式を買い取った2011年からだ。

ロナルド・ラフェンスパーガー氏は、「なぜこの成熟した市場に進出したのかといえば、クラウドによって、大きな革命が起こせると信じているからだ」と参入の理由を説明した。

ファーウェイのIT製品開発における歴史

同氏は、大きな革命を起こすためには2つの革新が必要だと説明する。1つはクラウドを大きなリソースプールとして活用していくこと、もう1つは標準化からオープンシステムへの移行だという。

なぜ、標準化からオープンシステムへの移行するのかといえば、標準化のプロセスには時間がかかるため、標準化を進める一方で、オープン化を行い革新のスピードを早める必要があるのだという。そのため、同社はクラウド上でのオープンなエコシステムの構築に力を入れているという。

「ファーウェイはクラウドシステムとして、PaaS基盤である『FusionStage』、ビッグデータ基盤である『FusionInsight』、クラウドOSとして『FusionSphere』を提供しているが、これらをお客様が直接利用することは不可能だ。なぜなら、お客様はカスタマイズを必要としているためだ。そこで、われわれはサードパーティを通じて、これらを提供している。そのため、サードパーティとのエコシステムが重要になる」(ロナルド・ラフェンスパーガー氏)

オープンなクラウドエコシステムに注力

そして、同氏は同社が考える未来志向のITインフラビジョンを次のように説明した。

「これまでファーウェイと特徴といえば、価格が安いことだったが、今後はお客様を助けて、新たな効率性を提供していかなければならない。すなわち、アジリティ(時代の変化に対応できるITシステム)を実現しなければならない。今後は複数のデータセンターが統合され、大きな論理的ばデータセンターとして捉えるようになる。これらは、複数の仮想的なデータセンターに分けることもできる。顧客はこの仮想的なデータセンターをコントロールし、それぞれ異なるアプリケーションを動作させる」

未来指向のITインフラに向けたビジョン