現在、PEZY-SC2の開発が佳境であり、2017年2月にES(エンジニアリングサンプル)が入手できる予定である。そこから死ぬ気で頑張れば2017年6月のTop500などの締め切りに間に合う可能性がある。

PEZY-SC2で液浸槽あたりピーク性能2PFlops、LINPACK性能で1.5PFlops、性能/電力は15-20GFlops/Wを目指す。これには48Vの直流給電による効率改善の効果も含まれている。そして、この液浸槽を7台設置すれば、10PFlopsのShoubu2.0の実現は射程内であると考えている。

また、約70台の液浸槽を設置し、5MWの電力を供給し、その発熱を冷やす冷凍機を屋上に設置することにより、ZettaScaler-2.0で100PFlopsのシステムの実現も可能性があるという。

さらに7nmプロセスを使って8192コアを集積するPEZY-SC3を2018年中にも完成させ、512ノードを1液浸槽に収容してピーク10PFlopsを目指す。LINPACK性能は8PFlops、性能/電力比は40GFlops/Wがターゲットである。

この液浸槽125台で1ExaFlops、25MWになる。これを2019年6月には部分稼働、11月には全系を稼働させて1ExaFlopsを達成するというロードマップである。ただし、100PFlops、1ExaFlopsは、現在は予算的な裏付けはなく、技術的な可能性であるとのことである。

また、菖蒲が一応完成したことを受けて、理研から、利用募集を行うことが発表された。菖蒲は独自アーキテクチャのPEZY-SCを使っており、現在は、動くアプリケーションは非常に少ない。そこで、実アプリケーションを開発する人や、性能評価を行う人に使ってもらいたいという。

応募の条件としては、日本の居住者であることと成果を公表することという程度で、理研の関係者である必要は無い。そして、GPUで動いているアプリを持っている人は優先的に採用されるという。7月から理研の情報基盤センターのWebサイトで公募を行い、20件程度の利用の採用を考えているという。