ビーコンの活用というと、多くは「物」や「場所」に取り付けられ、そこを通過した人にクーポンを配るなど、マーケティング分野のものが多い。そうした中、変わった活用を行っているのがリクルートテクノロジーズだ。ビーコンを取り付けるのは「社員」。用途は社内のコミュニケーションの活性化だという。
首から提げたビーコンでプロフィールを交換してコミュニケーション促進
同社の社員は入館証を首から提げているが、その横に独自開発のBluetoothビーコンを取り付け、iPhoneの専用アプリから持ち主のプロフィールが確認できる仕組みを2016年4月から取り入れた。
ビーコンによって確認できるのは社員の部署や氏名、顔写真といった基本的な情報だ。このようなツールが必要な理由は、リクルートテクノロジーズという企業の特性に関係がある。
「2012年の10月に150人くらいだった会社が、今では500名を超え、このうち、中途採用が8割を占めているため、社内でもお互いのことがよくわからないという事情がありました。打ち合わせに来ても、相手が誰だかわからず、こっそり入館証をチェックし、後で組織図でフルネームを確認することもありました」と語るのは、リクルートテクノロジーズ 企画統括室 経営企画部 経営企画グループの櫻井一貴氏だ。
ビーコン採用のきっかけになったのは、半期に一度開催されている社内向けのカンファレンスだ。
「カンファレンスは社内の専門家から話を聞く場になっています。そこで発表されたビーコン技術に人事部長が着目し、これを組み合わせて何かに利用できないかという打診があったのが始まりです」(櫻井氏)