続いて、ストレージは日本ヒューレット・パッカードの「3PAR StoreServ8400」をモデルに説明を受けた。
同社のプリセールス統括本部ストレージ技術本部ストレージ技術二部シニアITスペシャリストの岩野義人氏は「ストレージは単にデータを溜め込むものではなく、データを保護し、最適化したうえでアクセスを均等化させ、データの階層化によりコストをかけずに保管できるかということが重要だ」と説明した。
3PAR StoreServ8400は4つのコントローラ(CPUとメモリ、接続インタフェースを備えたユニット)を搭載しており、緑・青・紫に色分けし、480GBのSSD、600GBのSAS、2TBのNL SASの3階層で構成。これまでのストレージの考え方では物理ドライブに紐付く制限があったが、同製品は1つのラックの中に異なるドライブが混在でき、最大1920本のディスクの格納が可能だという。内蔵型ストレージと外付型のストレージとの違いはディスクの収納数で比較できる。
コントローラのCPUはストレージシステムの管理を行い、ストレージ内にはディスクドライブやホストポートと呼ばれるデータがあり、ホストポートのデータをルーティング(データを目的地まで送信するために、コンピュータネットワーク上のデータ配送経路を決定する制御のこと)させる。
また、M.2(コンピュータの内蔵拡張カードのフォームファクタと接続端子について定めた規格)のSSDにファームウェア(電子機器に組み込まれたコンピュータシステムを制御するためのソフトウェア)が入っており、バックアップを行う際に書き込まれているプログラムを使い、データの移動・コピーを行う。
ストレージのケーブルはFCスイッチ(SAN)と10GbEスイッチ(光ファイバーケーブル、NAS)があり、FCスイッチはストレージのプロトコルに特化したネットワークでパケットデータはSCSIのデータとなり、10GbEスイッチはIP(Internet Protocol)となる。
SAN(Storage Area Network)は、コンピュータとストレージの間を結ぶ高速ネットワークで、NAS(Network Attached Storage)はネットワークに直接接続し、使用するファイルサーバだ。
あくまで、それぞれの用途の違いだがFCスイッチはパケットロスがなく、確実にデータが届くため速いという。それに対し、10GbEスイッチはIPのフレームのため、例えばデータの順序制御ができないことがあるほか、ストレージの処理に時間を要する。 結果として、プロトコルをサポートする用途の違いにより、向き不向きがある。FCスイッチはDBや仮想化、10GbEスイッチはファイルサービスでそれぞれメリットを有する。最近の傾向としてはSANとNAS、両方使えるものもあるという。