米IBMのWatson Internet of Things, Commerce and Education ゼネラルマネージャーのHarriet Green氏は、IoTへの取り組みについて説明。全世界で290億のセンサーが使われることや、そこから収集されるデータのうち、9割が不要なものであり、さらに残ったデータのうち、3分の2が翌日には意味を持たないデータになることを示した。

米IBMのWatson Internet of Things, Commerce and Education ゼネラルマネージャー Harriet Green氏

「だが、こうしたデータを活用することが、ビジネスのやり方を劇的に変えることになる。このワークロードへの対応は、Watsonにしか対応できないものである。IoTによって、11兆ドルの経済効果が期待されており、自動車、電機、通信、金融など、ありとあらゆる業界を破壊することになるだろう。WatsonとIoTを組み合わせることで、コグニティブIoTが実現できる。WatsonのAPIを活用することで、アプリを開発し、Watson IoTプラットフォームを生かしてほしい」(Green氏)

また、IBMでは、IoT分野において、750の特許を持っていることや、4000以上のIoTクライアントに対応、1700社以上のIoTパートナーがあることなどを示してみせた。

IoTに関しては、シーメンスによるインテリジェントビルディングでの活用実績や、KONAによるエレベータ、エスカレータにおける効率的な人の移動をサポートする新たなビジネスモデルの提案などについて触れた。

米IBMのCloud Integration担当ゼネラルマネージャーのMarie Wieck氏は、「エンタープライズ企業の約80%がハイブリッドクラウドを活用している。また、われわれはソフトウェアすべてをクラウド対応としたことで、IBMのハイブリッドクラウドは選択肢が豊富であり、一貫性を持ち、柔軟性を持つことができた。さらに、今回発表したVMwareとの協業によって、選択肢を広げ、柔軟性を高めることができ、環境の最適化が実現される。これらのサービスを通じて、既存のエンタープライズシステムとクラウドをつなげた新たなビジネスモデルを提供することができる。それは、ハイブリッドクラウドへの道筋を加速することにつながる」などと語った。

ここでは、API Connectのデモストレーションも行い、APIの作成を自動化および簡素化できる様子を示した。そのほか、API Connect、WebSphere Connect、z/OS Connect、Message Connect、App Connectといった新たな発表したIBM Cloud Connectorsの提供についても触れた。

最後のテーマは、セキュリティである。ここでは、米IBMのIBM Security マーケティング兼ストラテジー担当バイスプレジデントのCaleb Barlow氏が説明にあたった。

米IBMのIBM Security マーケティング兼ストラテジー担当バイスプレジデント Caleb Barlow氏

Barlow氏は、サイバー犯罪の現状や、それを下支えするダークウェブの状況などについて触れながら、「クレジットカード番号は1ドルで取引されるが、個人の医療情報は15ドル、社会保障番号は15ドルで取引が行われる。これらの情報は変化することがないからだ」などと述べた。

また、「IBMには現在、7300人のセキュリティアナリストがいる。これらのうち、1000人がこの1年間に増えた。今後、サイバー犯罪に対抗するには、コグニティブが必要である。コグニティブは、セキュリティに力を与えることができる。IBMでは、約20年間にわたって、700TBの脅威情報を蓄積しており、無償で提供している。犯罪者たちは、組織で動いている。われわれも協力して対抗していかなくてはならない。そのために、情報をシェアし、ソリューションの一部として活用してほしい」などと語った。

Watsonはセキュテリィ領域においても活用される