実際、Windows 10 Mobileは企業内で稼働しているシステムとの親和性やMDM連携によるセキュリティ管理など、エンタープライズでの需要を満たす要素を数多く内包しており、あえて後発でAndroidを大々的に担ぎ上げるよりも、新規一転、期待のプラットフォームに力を注ぐという選択肢は正しいように思える。

MicrosoftはOffice 365などのクラウド連携のほか、新機能であるContinuum for Phonesを大きくアピール

今回のVAIOの会見では、日本マイクロソフト代表執行役社長の平野拓也氏とNTTドコモ取締役常務執行役員 法人ビジネス本部長の高木一裕氏も壇上でスピーチを行い、Windows 10 MobileならびにVAIO Phone Bizがビジネスの世界でどのように役立つのかを説明した。

平野氏は「世界で2億台以上、法人では2200万台がすでに稼働中」と、Windows 10における定例の数字を提示しつつ、Windows 10 Mobileの特徴であり現時点で国内ではこの「VAIO Phone Biz」とトリニティの「NuAns NEO」のみが持つ「Continuum for Phones」の機能を紹介した。さらにSkype for Business、Office 365、Microsoft Azureといったクラウド連携やMicrosoft Intuneによるセキュリティ管理と、競合プラットフォームよりも既存の企業システムでの親和性をアピールした。

前述のように、VAIO Phone Bizは個人向けにVAIOオンラインストアでの直販やMVNO経由での提供、そして一部量販店での販売も行われるが、法人ルートではNTTドコモとダイワボウ情報システムがリセラーとして活動することになる。このうち、今回の会見でも登場したNTTドコモの高木氏は従来のWindows 8/8.1やWindows 10といったLTEモデム内蔵PCだけでなく、Windows 10 MobileとOffice 365が加わることで、より回線契約増や法人需要の開拓が期待できると述べている。

NTTドコモとしては、「ビジネスプラス」によるOffice 365再販に加え、今後デバイスを導入する企業ユーザー向けにIntuneのサービスを「ビジネスプラス」のメニューに加えていく意向だという。またVAIO Phone Bizはドコモの相互接続性試験(IOT)を通過しており、Premium 4GのサポートではWindows 10 Mobile初となる下り最大225Mbpsのキャリアアグリゲーション(CA)に対応する。既存のSIMロックフリー市場を主眼にしたWindows 10 Mobile端末にはない特徴であり、これがVAIO Phone Bizの強みの1つになっている。

NTTドコモはWindows 10 Mobile端末では初となるキャリアアグリゲーション(CA)対応をアピール