4月25日ごろ: ロシアの新ロケット発射場「ヴァストーチュヌィ宇宙基地」から初のロケット打ち上げ
ロシアが極東のアムール州に建設中の「ヴァストーチュヌィ宇宙基地」の一部が完成し、初めてのロケットの打ち上げが実施される。
ロシアは現在、静止衛星や有人宇宙船の打ち上げはバイカヌール宇宙基地から行っているが、同基地はカザフスタン共和国にあるため、ロシアは年間100億円を超える賃貸料を支払い続けている。ヴァストーチュヌィ宇宙基地が完成すれば、ロシアはロケット打ち上げにおける自律性を確保することができる。
しかし、同基地の建設をめぐっては建設会社の汚職や、労働者への賃金未払い、設計ミスなどが相次いで報告されており、先行きは不透明な情勢にある。
4月ごろ: 中国の新型ロケット「長征七号」初打ち上げ、海南島の新宇宙センターから
中国の新しい中型ロケット「長征七号」が、同様に新しく建設された文昌衛星発射センターから打ち上げられる。
中国は昨年、新型の小型ロケット「長征六号」の打ち上げに成功したが、七号はその技術を使い、中型ロケットにしたもの。運用が始まれば、現在使われている「長征二号」や「長征三号」を代替し、低軌道衛星や静止衛星、有人宇宙船の打ち上げなどに使われることになる。
文昌衛星発射センターは、中国のハワイとも呼ばれる海南島に新たに建設されたロケット発射場で、赤道に近く、静止衛星の打ち上げには適している。また打ち上げ方向はすべて海に面しているため、分離した機体やフェアリングなどを海上に安全に投棄することが可能となる。
5月31日: 改良型「アンタリーズ」ロケットの初打ち上げ
「アンタリーズ」は米国のオービタルATK社が開発したロケットで、2010年10月に5号機の打ち上げに失敗。以来、打ち上げ停止の状態が続いている。
失敗の原因は第1段のロケット・エンジンにあったとみられている。このエンジンは今から40年以上前にソヴィエト連邦で製造されたもので、性能は高いものの、設計の古さや信頼性の不足などがかねてより指摘されていた。
同社では同エンジンの使用を止め、ロシアが新たに開発したエンジンを輸入して搭載して、改良型のアンタリーズを開発している。すでに機体はほぼ完成しており、近々燃焼試験が行われたのち、5月31日に打ち上げが行われる予定となっている。
5月ごろ: 超重ロケット「ファルコン・ヘヴィ」の初打ち上げ
ファルコン9ロケットの着陸成功などで話題を集めている米国のスペースX社は、並行して超大型のロケット「ファルコン・ヘヴィ」の開発も進めている。
ファルコン・ヘヴィはファルコン9の機体を3基使って構成されており、地球低軌道に最大で53トンもの物資を打ち上げることができる。これは現在運用されているロケットの中で最強である米国の「デルタIVヘヴィ」やロシアの「プラトーンM」の2倍以上にもなる。
また打ち上げ能力は落ちるものの、ファルコン・ヘヴィも機体を着陸させ、再使用することが可能とされる。
6月21日: ロシアの新型宇宙船「サユースMS」、初打ち上げ
ロシアは昨年12月、さまざまな新技術を導入した新型の無人補給船「プラグリェースMS」の1号機の打ち上げに成功し、現在もISSに係留されている。そして、その技術を有人宇宙船にも採用した「サユースMS」の開発も進められており、6月21日にも打ち上げられる。
この打ち上げには、ROSKOSMOSのアナトーリィ・イヴァニーシン飛行士、キャスリーン・ルービンズ飛行士、そしてJAXAの大西卓哉飛行士が搭乗する。
【参考】
・http://spaceflightnow.com/launch-schedule/
・http://www.russianspaceweb.com/2016.html
・http://www.zarya.info/GoForLaunch.php
・http://space.skyrocket.de/doc_chr/lau2016.htm
・http://www.spaceflightinsider.com/launch-schedule/