日本のスパコンメーカーの展示

富士通は京コンピュータの次の世代のFX100のボードの展示を行っていたが、この展示は昨年と変わらず、新味はなかった。

写真23 富士通のブース

写真24 PRIMEHPC FX100のボードの展示

Intelサーバ側の展示は、ASETEKの水冷コールドヘッドを使うサーバモジュールが展示されていた。これは昨年も展示されていたが、(ドイツでの開発であるので)日本での発売は未定とのことであったが、今回は、日本でも売るとのことであった。

また、その後方に展示されているFujitsu HPC Accelerator Systemであるが、これはIntelのKnights Landingを搭載しているとのことであった。

写真25 ASETEKの水冷コールドヘッドを使うサーバモジュール。後方のFujitsu HPC Accelerator SystemはKnights Landingが搭載されている

NECは2017年に次世代機のオーロラが出るというのが主要なメッセージで、現世代のSX-ACEのハードの展示も無かった。しかし、ベクトル機への関心は根強いようで、ブース内に設けたシアターには人が集まっていた。

写真26 NECのブース

写真27 ブース内のシアターは人気

日立はスーパーテクニカルサーバと呼ぶPOWER8 CPUベースの「SR24000」を展示していた。

写真28 日立のブースの様子

写真29 POWER8ベースのスーパーテクニカルサーバ「SR24000」を展示

また、日立は65nmのCMOSプロセスで作った20480 SpinのIsingチップを展示していた。D-Waveのマシンのように最適化を行うことができるが、量子効果でローカルミニマムから抜け出すということはできないので、シミュレーテッドアニーリングの専用プロセサという感じである。

写真30 65nm CMOSで作った20480SpinのIsingチップのシステム

Exascaler/PEZYは、まだ2回目のSC出展であるが、600平方フィートと大きなブースを出展した。これは日本企業としてはNECの900平方フィートに次ぐ規模で、富士通と同じサイズで、日立の400平方フィートよりも大きいブースである。また、本物の液浸槽と角柱状のサーバであるブリックと引き上げ機構まで持ち込んだ意欲的な展示であった。

なお、昨年使用していたExaScalerという名称は他社が商標登録していることが判明したので、今回はZettaScalerという名称に変更し、サーバのモデル名というよりシステムのコンセプトを表すという広い意味で使うことにしたという。

そして、写真のようにZettaScaler-1.5の大きな看板を掲げたのであるが、ブースの位置が展示場の隅で、この写真のように看板が良く見えるのはExascaler/PEZYのブースの中だけで、展示場の通路からは見える場所がほとんど無いということになってしまった。

写真31 富士通と同じ600平方フィートのブースを構えたExascaler/PEZY

写真32 液浸槽にブリックと呼ぶ角柱状のサーバを挿入。右奥はブリックを引き上げた状態

また、これまでは1024コアのPEZY-SCを使うブリックだけであったが、今回、Xeon CPUを16個搭載するMulti-Xeon Server Brickと、3.5インチHDDと2.5インチSSDをそれぞれ24台ずつ搭載できるStorage Node SH Brickを発表し、展示を行っていた。

写真33 Multi-Xeon Server Brick

写真34 3.5インチHDDも液浸してしまうStorage Node SH Brick