グーグルは11月24日、伝統的工芸品産業振興協会が行ったYouTubeを利用して行ったデジタルマーケティングの事例を紹介するセミナーを、東京・六本木の本社で開催。セミナーでは、グーグル 新規顧客開発本部 Account Executive 田島弘教氏が、同社の広告商品や国内のデジタルマーケティングの市場について説明した。
田島氏は、まず、同社のデジタルマーケティングプラットフォームには、検索連動型広告、Google Display Network(GDN)、YouTube TrueViewの3つがあり、GDN、YouTubeは広く一般に認知してもらうプラットフォームとして、検索連動型広告は興味を持つユーザー向けた広告として効果があると説明した。
最近の消費者の動向について田島氏は、テレビを見ながらオンラインデバイスを利用するなど、さまざまなデバイスを同時に利用しており、オンラインユーザーの92%がスマートフォン、PC、タブレット、テレビなどのスクリーンメディアを利用しているという調査結果を紹介した。
また、スクリーンメディアの中心はこれまでテレビであったが、2015年現在では、インターネットがテレビを逆転。インターネットは2010~2015年で64%増加しているという。
年代別に見ると、上にいくほどインターネットの割合が低く、男性より女性のほうがテレビに接触する比率が高い。ただ、高齢者に対するメディアとしてテレビのほうかいいのかといえば、60歳以上のシニア層のインターネット利用も直近5年で16%伸びているという。
そのほか、セブン&アイ、Google、インテージの3社が共同で行った、動画コンテンツを視聴したユーザーが、店舗でより多くの商品を購入するという調査データを示し、「デジタルマーケティングはパーソナライズされたデバイスであるモバイルと、動画に注目する必要がある」(田島氏)と指摘した。
その上で、デジタルマーケティングのメリットとして、ターゲット(年齢、地域、性別、時間など)が絞れる点と、数字で可視化できるため、数字を見て、次の展開を考えることができる点を挙げた。
そして、伝統的工芸品産業振興協会のYouTubeを使ったデジタルマーケティング事例を紹介した。
伝統的工芸品産業振興協会は、全国の伝統的工芸品産業の振興促進と、伝統工芸 青山スクエアの運営を行っている。
同協会は、従来、新聞を中心に広告を展開していたが、50歳以上中心という広告・宣伝による訴求ターゲットが狭い点と、情報量が限られている点が課題だったという。
そこで、若年層と外国人への認知拡大のため、YouTubeでの動画広告を開始、モバイル対応するHPリニューアル、ツイッター/YouTube/facebook/Google+などのソーシャルメディアの活用、イベントの動画中継、青山スクエアをバーチャル体験できるGoogleインドアビューの導入などの施策を行ったという。
伝統的工芸品産業振興協会 企画部 福田直樹氏は、「私どもは、50歳以上など、これまでターゲットを絞っていたわけではありません。オンラインにすることで、広告の結果を見たい点ことで1昨年から、動画を使った広告を開始しました。それによって、想像以上に幅広い年齢層の方にクリックいただいています」と効果を語った。