キヤノンではネットワークカメラに「インテリジェント機能」として、さまざまな機能を搭載している。「VB-R11VE」は9つの「インテリジェント機能」を搭載しており、現在ネットワークカメラを必要としている現場が求めているような機能が、ほぼ全部入りの状態になっている。

搭載されているのは「侵入検知」、「自動追尾」、「動体検知」、「置去検知」、「持去検知」、「いたずら検知」、「通過検知」、「音量検知」、「悲鳴検知」の9つだ。このうち「音量検知」と「悲鳴検知」は外部音声入力装置を接続して利用するため「VB-R10E」では対応しない。

「通過検知」

「動体検知」

ほとんどの機能は名称から内容が推測可能だろう。画面内に動くものがあるかどうかを検知するのが、侵入、動体、通過検知だ。指定範囲に動くものがあらわれたら反応するという動きは、防犯カメラ等でよく要求される動きだ。特に新機種に追加されたのは「侵入検知」で、事前に設定したエリアに人の立ち入りがあったかどうかを検知する。そして同じく追加された「自動追尾」は、指定範囲に入った動くものを撮影可能な範囲で追う。組み合わせれば、侵入者を発見してアラートを出しつつ追尾を行ない、何をしてどこから出て行くのかを追い続けるというような使い方ができるわけだ。

「置去検知」、「持去検知」は危険物等の持ち込みや展示物の盗難などを警戒したい場合に有効だ。「音量検知」は指定音量以上の音がした場合ということで、近くで破壊行為等があった場合に対応。「悲鳴検知」は女性の甲高い声にあたる周波数に反応する。そして、カメラの視野をふさいだり、塗りつぶしたりするような行為は「いたずら検知」で発見する。

「持去検知」

「いたずら検知」

これらの機能があることで、撮影しつづけて事件発生後に証拠として映像を利用するという方法ではなく、事件をリアルタイムに検知して対応することが可能になる。また映像確認時にも、何かあった部分をピンポイントで再生することができるため事態の早急な認識にもつなげられるはずだ。

取り付けやすさや設定しやすさ等の細やかさとソリューション展開も魅力

キヤノンでは「VB-R11VE」以外にもさまざまなネットワークカメラを用意。屋外向けとしても設置場所や撮影目的にあわせてドーム型、ボックス型を選択可能だ。屋内向けのものも複数のスタイルが用意されており、用途に合わせた採用ができる。そのため、設置のしやすさも工夫しているという。

3本のネジで固定できる小型カメラ「VB-S30D」

たとえば小型の屋内向けモデルでは、設置が非常に簡単になっているモデルがある。あらかじめマウントを3本のネジで取り付けてからカメラ部を装着できる形にしたことで、補助者なしの1人での設置を可能にしているのだ。これならば、小さな店舗や御フィルでも採用しやすいだろう。

またチルト/パン機能を持たない固定型カメラの場合、設置時に入念な位置調整が必要になりがちだが、その負担も軽減しているという。

通常は取り付け作業を行ないながら角度調整を行い、レイアウト変更等で撮影角度を変えたくなった場合にはあらためて取り付け直すことになる。しかしキヤノンのカメラの場合、ハードウェア的にはチルト/パン機能を持たせておき、設置モードに入ることでその機能を有効化する。そのためとりあえず設置してからゆっくりと角度調整を行なったり、レイアウト変更に合わせて変更したりといったことが可能になるのだ。高所作業が必要なくなるため、高所作業車を手配する手間とコストが不要になる。

また、法人向けネットワークカメラを本格展開するにあたっては、ソリューション営業にも力を入れて行くとしている。キヤノンマーケティングジャパンのショールームでも、NECソリューションイノベータの顔認識ソリューションと組み合わせて入って来た人を認識する使い方をデモンストレーション、単純に部門ごとの入室者を制限するような使い方だけでなく、お得意様を見つけて担当者にいち早く伝えて準備させるというような使い方のヒントも提案している。

NECソリューションイノベータの顔認証ソリューション「顔跡/KAOATO」

高画質な撮影を可能にするレンズ技術と、その画像を見やすく加工する映像処理技術に、ソリューション力を加えて展開するのが、キヤノンマーケティングジャパンのネットワークカメラビジネスなのだ。