29日に各チームのプレゼンテーションと審査が終わると、30日には各部門の優勝チームが発表されるセレモニーが開催された。

30日は部門賞の発表日。会場前には優勝トロフィーや各賞が飾られており、会場ではマーチングバンドがやってきて学生らを賑わせていた

各部門の優勝は下記3チームとなった。

  • World Citizenship部門

オーストラリアの「Virtual Dementia Experience」

  • Games部門

ロシアの「IzHard(イザード)」

  • Innovation部門

ブラジルの「eFitFashion」

部門優勝したチームや2~3位の各チームの作品やプレゼンテーションを見て改めて思ったことは、説明や技術的な差異があまり感じられず審査員の主観に委ねられる傾向があったと感じた反面、プレゼンテーションとQ&Aの時間を分けたことで「プロジェクトをよく理解し、きちんと将来のビジョンを持っている」ことがより評価されるのではないかという感想を抱いた。

アイデア的やゲームデザインで目を惹くロシアの「IzHard(イザード)」を除けば、ブラジルの「eFitFashion」はその傾向が特に強く、オーストラリアの「Virtual Dementia Experience」はImagine Cupの出発点である「社会貢献」の要素が強く、結果を見て改めて頷かせてもらう形となった。

今年のImagine Cup 2015は「World Citizenship」「Games」「Innovation」の3部門で争われる。全33チーム、113名の学生で争われるWorld Finalsの勝者はどのチームに

米MicrosoftコーポレートバイスプレジデントでチーフエヴァンジェリストのSteve Guggenheimer氏。Imagine Cupの責任者にあたる

残念ながら日本から出場した香川高専のチームは1~3位の部門賞から漏れてしまったが、これをバネに次のステージにぜひ歩み出してほしいところだ。

World Citizenship部門の優勝はオーストラリアの「Virtual Dementia Experience」。Dementia、つまり認知症の世界をOculusなどのデバイスとKinectを通して体験できるソリューション

Games部門の優勝はロシアの「IzHard(イザード)」。ゲーム制作の経験は1年程度だというが、白黒というモノトーンの世界を交互に行き来してステージ上のパズルを解決していくという斬新なデザインが目を惹く

Innovation部門の優勝はブラジルの「eFitFashion」。カスタムメイドの服を簡単にオーダーできるシステムが特徴だが、構想からビジネスプラン実現まで3年の月日を費やしており、他のチームと比較してもプロジェクト上の蓄積があることがうかがえる