スペースドームの外観。巨大な格納庫のような形をしている。

館内には展示物が所狭しと並ぶ。

今回のリニューアルの目玉のひとつ、「きぼう」の実物大モデル。以前のモデルは白い外観だったが、こちらは銀色で、すぐにより本物に近くなっていることがわかる。

「きぼう」は船内実験室、船内保管室、そして船外実験プラットフォームから構成されている。全長は約16m、全高は約8.6mもある。

ISSの「ハーモニー」モジュールと結合している側の面。

7月23日には油井亀美也宇宙飛行士がISSを訪れる予定。

船外実験プラットフォームにはロボット・アームが装備されており、船内からの操作で、船外実験プラットフォーム上に実験機器を設置したり、回収したりといったことができる。

このロボット・アームは全長10mの「親アーム」と、その先端に取り付けられる全長2.2mの「子アーム」から構成されている。親アーム、子アームは共に6つの関節を持っており、人間の腕と同じような動作が可能となっている。親アームは船外実験装置など大型機器の交換に使用し、先端の子アームは、細かい作業を行うときに使用される。

「きぼう」をバックに、油井宇宙飛行士と並んで写真が撮れるコーナーもある。

「きぼう」を先ほどとは反対側から。

星出宇宙飛行士が絶賛した「きぼう」のディテール。

表面の細かい凹凸まで忠実に再現されている。

こちら側は、ISSでは進行方向とは反対の側にあたる。すぐ近くまで近寄ることが可能だ。

船体表面にはハンドレール(手すり)が並ぶ。宇宙飛行士が船外活動を行う際には、この黄色い手すりを伝って移動する。

写真上に見える船内保管室の側面にもハンドレールが並ぶ。宇宙では基本的に上下がないため、どんなところでも登る(という表現自体おかしいが)ことが可能だ。

船外活動の際の出入り口となるエアロックを方角を示す標識。

ハーモニー・モジュールとの結合部の周囲にもハンドレールが取り付けてある。

それではいよいよ船内に入ってみよう。この出入り口は公開用に造られたものなので、もちろん実機にはない。

出入り口の前に立つ星出宇宙飛行士。

船外活動で「きぼう」の表面を移動すると、ちょうどこんな風に見えるのかもしれない。

出入り口付近から見たロボット・アーム。ここにもハンドレールが取り付けてある。

リベットやボルトのひとつひとつまで精巧に造られている。

船内実験室に備え付けられているエアロック。ただし宇宙飛行士の出入りはできず、実験装置や実験試料の移動で使用される。

エアロックの両脇には小さな窓があり、宇宙飛行士はこの窓から、船外実験プラットフォームの様子を見たり、ロボット・アームを操作することができる。

こちらは左側の窓。

エアロックのある側から、ハーモニーとの結合側を望む。

逆にハーモニーとの結合側からエアロック方向を望む。

船内実験室から船内保管室を望む。

船内実験室の側面にはさまざまな実験機器が並ぶ。実際に稼動しているかのようにも見える。

天井にあたる部分には保管スペースも用意されている。船内に上下はないので(実際には便宜上、上下が設定されている)、簡単に仕舞ったり取り出したりできる。

「きぼう」について説明する星出宇宙飛行士。

ハーモニー・モジュールとの結合部に取り付けられたのれん。字が裏返しになっているのは、ハーモニー側から入ろうとした際に「きぼう」と読めるようになっているため。

宇宙飛行士たちのサインも並ぶ。

「きぼう」の断面。こちらは進行方向の反対側。

「きぼう」の断面。こちらは進行方向の正面側。反対側と異なり、「スタッフィング」という層があることがわかる。進行方向の正面側は、他の部位よりも、スペース・デブリ(宇宙ごみ)と衝突する可能性が比較的高いことから、万が一デブリが衝突しても耐えられるように装甲が厚くなっている。

続いて人工衛星エリアへ。実物大の衛星がずらりと並び、壮観だ。

技術試験衛星I型「きく」(左)と技術試験衛星IV型「きく3号」(右)。「きく」はNASDA初の人工衛星で、やはりNASDA初のロケットであるN-Iロケットの打ち上げ技術や、人工衛星の軌道投入、追跡、運用技術などを習得することを目的に開発された。「きく3号」は、N-Iの後継機であるN-IIロケットの打ち上げ能力の確認と、当時としては大きな衛星であったため、開発技術の習得や搭載機器の機能試験などを目的としていた。

技術試験衛星III型「きく4号」。衛星の姿勢を能動的に制御する3軸姿勢制御の技術や、太陽電池パドル展開機能の確認などを目的としていた。「きく3号」と名前があべこべのようだが、これはIV型のほうが先に打ち上げられて「きく3号」と名付けられたためだ。

技術試験衛星VII型「きく7号」。自動でのランデヴーとドッキングを試験する目的で開発された衛星で、「おりひめ」、「ひこぼし」という愛称もある。この写真でいうと上の箱状の部分が「おりひめ」、下が「ひこぼし」。

技術試験衛星VIII型「きく8号」。2つの大きなアンテナを持ち、携帯電話の地上局がない場所や、災害時などにおいて、携帯電話などの小型の端末との通信技術を実証することを目的としていた。技術試験衛星ではあったが、2011年の東日本大震災では実際に活用された。

温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」。地球温暖化の原因とされる温室効果ガスを観測する。

陸域観測技術衛星「だいち」。光学センサーと合成開口レーダーで地表を観測し、地図の作成や地域観測、災害状況の把握、資源調査などを目的とする。

実験用中型放送衛星「ゆり」。衛星放送技術の確立を目的としていた。

データ中継技術衛星「こだま」。他の人工衛星と地上との通信の中継技術を習得するために開発された。現在も「きぼう」や陸域観測技術衛星2号「だいち2号」などとのデータ中継を続けている。

月周回衛星「かぐや」。日本にとって「ひでん」と「はごろも」以来となる月の周回軌道に入った探査機で、月の本格的な観測を目的としていた。

陸域観測技術衛星2号「だいち2号」の3分の1の模型。「だいち」の後継機として開発され、合成開口レーダーを使い地表を観測する。

宇宙ステーション補給機「こうのとり」。ISSに水や物資、実験機器などの補給物資を送り届ける。2015年8月16日にはこの5号機の打ち上げが予定されている。

「こうのとり」の補給キャリア与圧部(上部)と補給キャリア非与圧部。

「こうのとり」の曝露パレット。ISSの船外で使われる実験装置や機器などがここに搭載され、「こうのとり」の補給キャリア非与圧部へ搭載される。

日本の歴代ロケットの模型。ただしここは筑波宇宙センターなので、宇宙科学研究所(ISAS)系のロケットはほとんど省いてある。

H-IIAロケットやH-IIBロケットの第1段に使われているLE-7Aロケット・エンジン