CCからの最新機能を壇上で直接プレゼン

このセッションにゲストとして招かれ、事例を紹介した新上氏だが、実は冒頭の業務紹介にて「イラレのアップデートについていけていない!」と暴露していた。実務では漫画週刊誌などのサイクルが非常に短い仕事も多く、業務の間に新機能を取り入れる機会をなかなか得られないのだという。

そこで今回のセッション登壇に際して、CS6からCCへとバージョンアップを実施し、その上で何と壇上で、岩本氏からCCならではの新機能の紹介を受けるという異例のプレゼンテーションが披露された。

ナルティスから提供された実際の単行本の装丁データを元に、最新機能を使ったデモンストレーションが進行された。文字を使ったアートワークの例として、これまではアウトライン化して配置していたところを、Illustrator CCで登場した新機能「文字タッチツール」で作業すると、テキスト属性を保持したまま拡大や配置換え、回転できる。

アウトライン化することなくフォントの配置などを変化させられる「文字タッチツール」の実演

壇上の新上氏が「印刷所によっては過去のバージョンに保存し直す必要があるのですが」と不安を述べると、「テキスト属性を保持したまま、バージョンダウンしたファイルでも保存できます」と回答するなど、ソフトメーカー側と現場側とのリアルなやりとりが垣間見える場面もあった。

このほか、角丸ツールで角の丸め方を数値ではなくドラッグで調整できる「ライブシェイプ」機能や、パスが切れているところをなぞるとつなげられる「連結ツール」も紹介。加えて、iPhoneやiPadのカメラで撮影したものをベクターデータとしてIllustratorに取り込めるアプリ「Adobe Shape」の実演も実施された。新上氏は新機能の解説に聞き入ったのち、「これからもいいツールとして育っていってください」と語り、場を締めくくった。

「Adobe Shape」の実演

なお、リアルイベントは幕を閉じたものの、現在もUstreamにおける24時間配信は実施中。リアルイベントでIllustratorのスペシャリストたちが妙技を競った「Ai-1 グランプリ」の番外編をあさ4:00まで配信中。その後も効率アップのためのプラグイン&デバイスの紹介(あさ6:00~7:00)など、Illustratorに関する話題を24時間展開している。今後の配信スケジュールは、同イベントの特設ページを確認してほしい。

会場にはIllustratorユーザーにはなじみ深い歴代の「ヴィーナス」の展示も。懐かしいパッケージ展示だけではなく、往年のPower Macを使ったデモも行われた