業績に貢献するデスクトップ/アプリケーション仮想化技術者育成方法と認定資格
ここまでで、技術者育成を行うことで、全体のシステムの最適化および安定稼働させることにより、障害発生率の低減と売り上げに貢献できることをご理解いただけたと思います。
では、技術者育成において必要なカリキュラムとはどういったものなのでしょうか。その答えは、対象とする技術分野によって様々ですが、以下では、すでに企業を支えるシステム基盤の1つとなりつつあるデスクトップ仮想化、アプリケーション仮想化、モバイル化基盤に関するシトリックスの取り組みをご紹介しましょう。
デスクトップ仮想化およびアプリケーション仮想化基盤は、全社規模で利用されている特性上、高可用性が求められます。また特性として、ユーザーレイヤー、アクセスレイヤー、デスクトップ アプリケーションレイヤー、コントロールレイヤー、インフラストラクチャー レイヤー(ハイパーバイザー、ネットワーク、サーバー、ストレージ)の5つのレイヤーで構成されます。これらのITインフラの複雑に絡み合うすべてのレイヤーの経験とスキルがエンジニアに求められ、かつ各導入フェーズに応じた現状分析、要件定義・設計、構築、パイロット導入、本番稼働、そして運用の知識と経験も担当するフェーズの役割毎に求められています。
シトリックスでは、こうしたエンジニアの役割やプロジェクトフェーズごとに求められるスキルに対して、下記ラーニングマップのようなトレーニングを用意しています。分析・設計、構築・テスト、管理・運用の各フェーズにフォーカスし、Citrixソリューションを成功に導くために必要なスキルを効果的に習得できる構成になっています。
これらすべてのスキルをまとめて習得できれば理想的ですが、実際は、それぞれのフェーズで求められるスキルが膨大なため、一度にすべてを身に付けるのは現実的ではありません。そこで、Citrix認定資格では、アセスメント・設計-Citrix Certified Expert(CCE)、構築-Citrix Certified Professional(CCP)、管理・運用・モニタリング・トラブルシューティング-Citrix Certified Associate(CCA)の3つのレベルを用意しています。さらに、ソリューション別にVirtualization資格、Networking資格、Mobility資格に特化した3種類を用意しており、各資格取得に必要なスキルセットを習得するために認定トレーニングの受講を推奨しています。
なお、2013年にはCitrix XenDesktop 7リリースにあわせて資格体系を見直し、ソリューションベース(デスクトップ仮想化ならびにアプリケーション仮想化、ネットワーク、モビリティ)と導入におけるプロジェクトライフサイクル(=役割)に焦点を当てたカリキュラムにリニューアルしました。システム全体を最適化および安定稼働させ、障害発生率の低減と売り上げに貢献するような技術者を育成するには、企業の多様化するニーズに対応するためのIT技術の革新に十分に対応できる技術スキルが必要であり、そのスキルを効果的に短期間で身につけるカリキュラムが最適であるという考えからリニューアルに踏み切っています。
さらには、各国に合わせた言語での実施、またフィードバックや要望を活かし、受講者のニーズを取り込んだカリキュラムを常に検討しており、かつ多くの経験と高いスキルと持った講師とクラスルームにて双方向の効果的な教育を提供しています。こうした取り組みにより実践的で最先端の「現場力のあるデスクトップ/アプリケーション仮想化技術者」の育成を進めています。
著者プロフィール藤野 智宏(Fujino Tomohiro)
- シトリックス・システムズ・ジャパン株式会社 サービス本部 本部長
シトリックス・システムズ・ジャパンのサービス部門として、計画段階の上流から導入段階における設計から実装に至る全てのライフサイクルを担当するコンサルティングサービス、およびお客様の管理・運用フェーズに必要なスキル、パートナー様が設計や実装に必要なスキルセットを得るための技術者育成を提供するエデュケーションサービスを統括している。