クリエイティブプロファイルで継続的な創作活動を実現する

モバイルアプリが充実したことで、これを活かす鍵になってくるのがクリエイティブプロファイルである。クリエイティブプロファイルを中心に据えることで、Creative Cloudの中でモバイルアプリとデスクトップツールがシームレスにコラボレーションできるようになる。クリエイティブプロファイルを作った理由として、Sharma氏は「クリエイティブな人々が、場所や時間を問わずにあらゆるデバイスを使って継続的に創作活動を行える基盤を提供したかった」からだと語っている。

Sharma氏は、アドビ製品だけでなく他のアプリケーションを使うユーザーの創作活動も後押ししたいと考え、そのためにCreative SDKを公開したと語った上で、次のように続けた。

「Creative SDKは、長い年月をかけてアドビが築いてきた機能を、外部のツールでも利用できるようにするものです。私たちのツールを使いこなし、ユーザーのクリエイティビティを促進する新しいアイデアを持っているのであれば、ぜひ積極的に利用してほしいと考えています。」

もちろん、同社としても既存の顧客以外のユーザーにCreative Cloudをリーチしたいという思惑がある。しかしそれ以上に、パートナー企業がCreative Cloudの機能を使ってビジネスができるようにすることで、顧客のクリエイティビティを強化する手伝いをしたいという思いが強いとSharma氏は強調した。

さらなる成長のために解決すべき3つの課題

モバイルアプリが充実し、コラボレーションも強化されて、クラウドサービスとしての新しい価値が見いだせるレベルまで進化してきたCreative Cloudだが、この次の一手としてはどのような拡張が予定されているのだろうか。Sharma氏は「まだスタートしたばかりなので試行錯誤を続ける段階」と前置きした上で、目の前に見えている課題として以下の3つを取り上げた。

ひとつ目はクリエイティブプロファイルをもっと使い勝手の良いものにしていくということ。クリエイティブプロファイルはCreative Cloudが創出するクリエイティビティの中心にあるもので、その重要性は極めて高い。

ふたつ目は新しい価値を追加すること。例えば、Behanceに追加されたTalent Searchのような新しいサービスの提供や、Creative Cloud Extractのようなクラウドをうまく活用した機能強化などが挙げられるという。

3つ目はMarketing Cloudとの連携をより緊密なものにしていくこと。マーケティング部門の人々はCreative Cloudの主要なユーザーでもある。そこで、クリエイティブプロファイルをMarketing Cloudでも利用できるようにすることで、両者のコラボレーションによる新しい価値を生み出したいとのことだ。

Sharma氏の言うように、Creative Cloudはまだ成長の初期段階にある新しいプラットフォームだが、徐々に目指す方向性が見えてきたようにも感じられる。今後の成長にも大いに期待したいところである。