次は、テスラ サービスセンターの模様だ。手前に整備の完了した車両の充電などを行うスペースがあり(画像33~35)、シャッターを抜けたその奥がサービスセンターの中核の施設となる(画像36~39)。現時点では6台ほどが同時に作業できる形である(クルマ自体はもっと収納できるが、作業用のリフトが現時点では6台)。なおテスラでは、サービススタッフが多人数で1台に取りかかって分担して一気に作業を行い、預かってから24時間以内にユーザーに戻すという形を採っているそうである。

設備的な特徴としては、米国本社の指示により日本では初めて導入されたという、最も信頼性の高い(クルマに傷をつける心配が低い)最新鋭で非常に高額な全自動タイヤチェンジャー(全自動とはいっても、さすがにクルマごとのセッティングなどは必要)や(画像40)、オートバランサーなどがあった(画像41~43)。そのほか洗浄設備なども備えられている(画像44)。

ちなみに接触事故などによる車体の板金作業に関しては、別途契約している整備工場に外注する形で、ここでは板金以外の作業やバランス調整、またバッテリ交換などが行われる。ちなみにバッテリはモデルSに関しては全グレードとも8年間の保証つきだ。

画像33(左):整備の完了した車両は、ここで充電などを行う。ここのシャッター(今は全開している)に向かって左側に充電器がある。画像34(中):壁に並んでいる充電器。画像35(右):充電器のアップ

画像36(左):整備スペース。この日も何台も整備されていた。画像37(中):車両を持ち上げるためのロータリーリフトは片側の壁にのみあり、現在のところ6台。ただし、スペース的にはまだあるし、工事中の区画などもあるので、何らかの機器が設置されると思われる。画像38(右):右側がロータリーリフターが並んでいるエリアで、左が今のところはオートバランサーが1台設置されているエリア

画像39(左):ロータリーリフトに載せられ、タイヤも外され、各種点検が行われている最中のテスラのEVスーパーカー「ロードスター」。画像40(中):日本では初めて導入されたという、超高機能な全自動タイヤチェンジャーなど一式。画像41(右):オートバランサーに乗っているメタリックグレーのモデルS

画像42(左):オートバランサーで4輪それぞれの荷重をチェックして調整。画像43(中):オートバランサーの制御コンピュータ。画像44(右):洗浄エリア。この日は、実際に洗浄している様子は披露されなかった

最後はショールームにある、デザインスタジオ(画像45~47)。デザインスタジオでは、ボディーカラーや、内装のカラーリングや素材、ホイールなどのデザインを選択できる。モニタを使って選んでいくことで決められる仕組みだ。ちなみにデザインスタジオの反対側の壁には、Tシャツやキャップなどのテスラ公式グッズ類が並べられている(画像48~53)。

画像45(左):デザインスタジオ。女性の向こう側にあるモニタでボディーカラーなどを選んでいける。画像46(中):ボディーや内装のカラーサンプル。画像47(右):下段にはホイールのサンプル

画像48(左):テスラ公式グッズのTシャツ。画像49(中):こちらも別カラーのTシャツ。画像50(右):スタッフウェア風のブルゾン

画像51(左):キャップ。画像52(中):タオルケット。画像53(右):カップやボトルなど

それでは、最後にここまでで掲載できなかった画像を一挙に紹介しよう。まずはこの日展示されていたモデルSの、ほかのカラーバリエーションをお見せする。この日はブルーやブラウンなど、複数のカラーがなかった(画像54~56)。画像54の集合写真にあるレッドに関しては、シャトルバスとして最寄り駅のJR戸塚駅とサービスセンターの間を往復していた関係などで、単体で撮影するタイミングが取れなかったが、その代わりに動画で走り出しの様子を撮影してみた。動画は、幹線道路や高速道路での走行時に車内からも撮影しているので、その静かな様子をご覧いただきたい。さすがに高速になると、タイヤが路面と接することで生じる走行音や、空気抵抗によるうなりのような音も発生するので、いくらEVとはいえまったくの無音ということはないのだが、かなり静かなことがわかるはずだ(動画1・2)。

画像54(左):モデルSの集合写真。左からテスラ マルチ コートのパールホワイト、同レッド、メタリックのシルバー、ソリッドのブラック。画像55(中):画像14のメタリックのグリーンを前から。画像56(右):メタリックのシルバーを前から

動画
動画1。テスラ マルチコートのレッドのモデルSが静かに走り出す様子
動画2。車内から撮影。前半は一般道(幹線道路)を走行している最中のもの。後半は高速道路に合流して行く時のもの。後半は速度表示の上がり具合と加速時のモーター音に注目してほしい

続いては、エクステリア各部のアップ(画像57~66)。

画像57(左):フロント部分のアップ。画像58(中):フロント部分の脇、ヘッドライト近辺。ヘッドライトは自動オンオフ式キセノン型。ヘッドライトの下方にはフォグランプも装備されている。画像59(右):ノーマルの19インチホイール。タイヤはミシュランだ

画像60(左):ドアハンドルは空気抵抗を考慮して走行中は引っ込んでいて1mmのでっぱっていない。キーを持って近づくだけで自動的にこのように出てくる(タッチして出すことも可能)。画像61(中):サイド(ドア)ミラー。手動で格納する。画像62(右):テールランプ

画像63(左):もちろんリアのアンダー部分にはマフラーはない。画像64(中):リアにあるモデルSの車名エンブレム。画像65(右):こちらはリアのグレードのエンブレム(P85+)

画像66(左):フロントのテスラのエンブレム。画像67(中):リアのトランクリッドにあるテスラのエンブレム。画像68(右):サイドのテスラのエンブレム

続いてはインテリアや運転席周り(画像69~74)。

画像69(左):米国本国仕様の左ハンドル。画像70(中):ペダル類。画像71(右):ドアの内側

画像72(左):ウィンドウスイッチなど、右前ドアの内側のスイッチ類。画像73(右):ドライバーズシートとナビシートの間のヒジ掛けとドリンクホルダー

画像74(左):ドライバーズシートからルームミラーの方向を撮影。画像75(右):通常のトランクルーム。容積は150リットル強。取り外し可能なパーセル シェルフが画像のように標準装備されており、外から荷物が見えないようにできる

最後は、ショールームに展示されていたシャシーのみの展示モデルをさまざまな方向から(画像76~82)。ちなみにシャシーは高強度ボロン鋼で強化された軽量アルミニウムが使われている。

画像76(左):正面から。画像77(中):フロント周り。画像78(右):ガソリン車のFFならここにエンジンとその補機類がマウントされるわけだが、サスとステアリング関係のみなので、操縦性の良さにつながっているという

画像79(左):フロント部分を横から。エンジンなどがないため、衝突時の衝撃吸収構造もガソリン車では不可能なよりエネルギーを吸収できる構造となっている。画像80(右):フロントサスは軽量仕様で、これもまたエンジンの制約から解放されているので操縦性の良さに大きく貢献している。スマート エア サスペンションは加速時には空力特性を最適化するために車高を自動的に下げるほか、雪道での走行時や、段差があったり、凹凸が多かったりする場合は、タッチスクリーンから車高を調整可能だ

画像81(左):左右のリアホイールの間に収まっているパワートレイン。こちらは三相4極ACインダクションモータで、センターより左側にある。パワートレインの構成はモータに加え、鋼製ロータ、可変周波数ドライブなどだ。モータだから駆動部分もガソリンエンジンに比べると極端に少なく、そうした点からもガソリンエンジンの3倍もエネルギー効率がいいという。画像82(右):センター部分を挟んでモータとは反対側の右側にあるのが回生ブレーキシステム付きドライブインバータ。アクセルを抜いた瞬間から回生ブレーキが強めに利くのは前述した通り

以上、モデルSとテスラ モーターズ ジャパンのサービスセンター+のリポート、いかがだっただろうか。もういつもの倍、大量の画像を掲載してみたので、ジックリと見ていただきたい。またモデルSに関して試乗もすでに受け付けているので、その加速感やキビキビとした運動性能を味わいたいという人は、公式サイトのモデルSのページで申し込んでみよう。