弥生は、顧客の事業の立上げと発展の過程で生まれるあらゆるニーズに応える「事業コンシェルジュ」になることをビジョンとして掲げており、カスタマーセンターは、その基本となるサービスを提供する。
同社のサポートサービスは「あんしん保守サポート」と呼ばれ、現在「製品保守サービス」、「業務ヘルプデスク」、「業務支援サービス」の3つが提供されている。
「製品保守サービス」は、通常のサポートサービスで、同社の掲げる事業コンシェルジュのビジョンの特徴を示すものが、「業務ヘルプデスク」と「業務支援サービス」だ。
一般的にカスタマーセンターといえば、操作法の説明やトラブル対応、ソフトウェアの保守などが一般的な業務だが、業務ヘルプデスクでは、確定申告相談(個人)や仕訳相談、消費税改正業務相談も行っている。また、来年からは経理業務相談もスタートさせる予定だ。
さらにユニークなのが業務支援サービスで、こちらでは、福利厚生サービスや業務用の書籍や文書の提供のほか、PC・ネットワークサポート、給与や賞与の一括振込などを行う。
これは、弥生のメインユーザーである中小企業の中には、人事や総務、経理、情報システムといった部署を設けていない会社もあり、これらの業務を事業コンシェルジュとして代行しようというものだ。
弥生 代表取締役社長 岡本浩一郎氏は、「お客様は弥生製品を買いたくて買っているわけではありません。業務を行うために仕方なく買っています。弥生製品は業務の一部でしかなく、いかに業務でのお困りごとを解決していくかが重要です」と語る。
さらに来年には、データバックアップやデータ共有、スマート取引取込といった、クラウドを活用して、弥生製品を便利に使うための「製品活用サービス」カテゴリも新設される予定だ。
こういったサポートメニューの充実により、同社の有償サポート契約率は76.1%と3/4以上の顧客が契約し、継続率は86.6%に上るという。
岡本社長は、サポートセンターの重要な指標は対応率と満足率だと語る。対応率とは、掛かって来た電話に対応できた割合で、満足度は、対応した電話の中で解決にいたった割合だ。
対応率を下げる要因には、放棄呼と呼ばれる、オペレータの空きを待っている途中で顧客自らが電話を切ってしまうものと、強制切断と呼ばれ、相談内容がカスタマーセンターでは対応できないものの2つがあるという。
同社では、対応率88%以上、満足率90%以上を目指しており、2014年度は前年比1.5倍のコール数にもかかわらず、対応率88%以上を達成できる見込みだ。岡本社長は「合格とは言えないが、健闘とは言えるレベル」と評価する。