期間限定のキャンペーンが、通年プランに仲間入りした経緯
実は、アドビがこうしたフォトグラファー向けのプランを登場させたのは今回が初めてではない。2012年9月より、「Photoshop 写真業界向けプログラム」あるいは「Photoshop写真家向けプログラム」という名称で、Photoshop CCとLightroom 5を月額1,000円で利用できるキャンペーンを「期間限定」として展開。開始当初こそ対象が「CS3以降の製品所有者」に限定されていたが、やがてこれを撤廃しすべてのユーザーに開放するなど、条件を繰り返し変更しながらキャンペーンが継続されていた。そしてこの6月、ついにCreative Cloudの正式プランの1つとしてラインアップされたのだ。
アドビのWebサイトの「メニュー」画面から「購入方法」をクリックすると開くユーザー選択メニューには「フォトグラファー」のアイコンが用意され(左)、クリックすると「フォトグラフィプラン」の購入画面が開く(右) |
こうした経緯について質問を投げかけたところ、栃谷氏はリニューアルされた同社Webサイトの「購入方法」のページを示し、「フォトグラファー」というアイコンから「フォトグラフィプラン」にアクセスできることを紹介しながら、「今回の各サービスの刷新をきっかけに、各種サブスクリプションプランの購入がよりわかりやすくなりました」と説明。その上で、「多くのプロ写真家から『Photoshopだけが必要』あるいは『PhotoshopとLightroomのふたつだけで十分』という声があり、最初はそうした人向けの期間限定プロモーションとしてキャンペーンを行っていましたが、やがてハイアマチュアの写真愛好家からも好評となり、そうした反響に応える形で新たな定番のラインアップとして加わりました」と説明してくれた。
「Aperture」の開発終了は、LightroomとCreative Cloudへの追い風?
アドビは、ApertureからLightroomへの移行方法を紹介するWebページを本日公開した |
アップルは6月27日、Lightroomのライバルともいえる写真編集ソフト「Aperture」の開発を終了することを発表した。この件について栃谷氏にコメントを求めたところ、あくまでも個人的な意見として、「Apertureがなくなったから何かをする、という言い方はあまりしたくはないのですが……」と前置きした上で、「米国本社では、Apertureユーザーに対して、Lightroomへスムーズに移行するためのTipsなどをWebページで公開しています。これは、日本でもやっておくべきだと思います」と語った。
また、サードパーティーからは、ApertureのデータをLightroomに取り込むプラグインも配布されているとのことだ(日本語版での動作に関して同社では未確認)。さらに栃谷氏からApertureユーザーに向けてのメッセージとして、「Photoshopには20年以上の歴史があり、アドビは写真に対する思いはとても強いものがあります。Lightroomは、フォトグラファーが安心して使えるツールとして自信を持って提供しますので、これを機会にご検討ください」とアピールした。